神光寺跡(読み)しんこうじあと

日本歴史地名大系 「神光寺跡」の解説

神光寺跡
しんこうじあと

[現在地名]小海町大字豊里 松原

ちよう湖へ西方から突き出した面積約一ヘクタールの半島上にある。寺はちょうど馬蹄形に湖に抱かれるように存在した。本堂・三重塔の礎石や諸堂跡、寛永一六年(一六三九)在銘の宝篋印塔及び二〇基近い無縫塔が残存し、三重塔が湖面に揺れる姿が美しかったといい伝えられている。

天台宗、藤島山清浄院神光寺。本尊薬師如来。安政三年(一八五六)の梵鐘有無書上書によれば、上野国世良田長楽寺末、(松原)諏訪上下社の別当開基開山は不詳。慶安二年(一六四九)徳川家光の朱印状に「信濃国佐久郡松原村諏訪明神社領同村三拾石事 任先規寄附之訖 別当神光寺両神主如有来 可配分之」と松原神社の別当寺であることを明記している。宗旨は、初め真言宗で、天台宗に変わり、東叡山寛永寺の直轄となり、後、上野国世良田長楽寺の末寺に属して明治に至ったとされているが、その属した年月はつまびらかでない。

末寺は梓山あずさやま(現川上村)泉竜寺・海尻うみじり(現南牧村)医王院・八那池やないけ村秀光寺・馬越まごえ村極楽寺、八郡やこおり(現八千穂村)大石組万性院の五ヵ寺である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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