宮中・諸神社で神楽の伴奏に用いる横笛。「大和(やまと)笛」「和(やまと)笛」「太(ふと)笛」ともいう。全長約45.5センチメートル、外径約1.8センチメートルで、雅楽の3種の笛のうち最長。指孔は6孔、管尾から干(かん)・五(ご)・丄(じょう)・夕(しゃく)・中(ちゅう)・六(ろく)とよぶ。他の2笛、竜管より長2度、高麗(こま)笛より長3度低い。『続教訓抄』(1444~49)に「太笛モ本(もと)ハ横笛ノ壱越(いちこつ)調ニ会(あう)ホドノ笛ニゾ待(はべ)リケル」とあることから、平安中期の『延喜格(えんぎきゃく)』(907選)に「楢笛(ならぶえ)」と称された高麗笛が大形化されたものと考えられ、両者とも構造・奏法が類似する。音色は静寂で、音高は神楽歌の旋律にすなおに沿い、古く『枕草子(まくらのそうし)』66段にも、「神楽の笛の面白(おもしろ)うわななき、細う吹きすましたる」とある。
[橋本曜子]
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…いずれも指孔は7孔で,節の所に小枝(さえだ)(小枝の根元の形)を残してある。現行の横笛は雅楽の竜笛(唐楽用),高麗笛(こまぶえ)(高麗楽用),神楽笛(神楽用),能・狂言などの能管,歌舞伎囃子や民俗芸能の篠笛(しのぶえ)が主である。雅楽ではこのほか東遊笛(あずまあそびぶえ)(東遊用,中管(ちゆうかん)とも)があったが,平安時代か鎌倉時代に廃絶した。…
※「神楽笛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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