神角寺(読み)じんかくじ

日本歴史地名大系 「神角寺」の解説

神角寺
じんかくじ

[現在地名]朝地町鳥田

しろ山の東方、神角山の山頂付近にある。如意山と号し、高野山真言宗本尊は千手千眼観音。欽明天皇三一年新羅僧が来訪して創建したという伝承があり(豊後国志)、本尊についてはその僧が背負って持参したもの、あるいは当山の竜池から湧出した霊仏であるなどと伝える。寺伝ではもともと法相宗で、平安初期彦山・白山山王の三所の権現が影向したのを期に天台宗に変わったという。さらに貞観年間(八五九―八七七)に聖宝が来遊して宝殿・堂宇を興し、三六の僧坊建立したとも伝え(豊後国志)真言宗に転じたことを示す。

建久七年(一一九六)大友能直は豊前・豊後両国守護職兼鎮西奉行に任命され、先発として、その実弟古庄重能が入国した際、豊後大神氏の大野泰基は神角山に拠って抵抗したという。承元二年(一二〇八)閏四月一〇日の源壱譲状案(石志文書)に「豊後国大野九郎謀叛之時、壱令豊後上尅」とあるので大野泰基が抵抗したことは事実である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「神角寺」の解説

神角(じんかく)寺

大分県豊後大野市、神角山の山頂付近にある真言宗の寺院山号は如意山。室町時代建築である本堂は国の重要文化財指定シャクナゲ名所

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