稲負鳥(読み)イナオオセドリ

デジタル大辞泉 「稲負鳥」の意味・読み・例文・類語

いなおおせ‐どり〔いなおほせ‐〕【稲負鳥】

古歌に詠まれた秋の鳥。稲刈り時に飛来するという。呼子鳥よぶこどり百千鳥ももちどりとともに古今伝授三鳥の一。セキレイトキスズメバンクイナなどとする諸説があるが、実体は不明。
「山田る秋の仮廬かりいほに置く露は―の涙なりけり」〈古今・秋下〉

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精選版 日本国語大辞典 「稲負鳥」の意味・読み・例文・類語

いなおおせ‐どりいなおほせ‥【稲負鳥】

  1. 〘 名詞 〙 古歌に多くよまれた鳥の名で、古今伝授三鳥(よぶこどり・ももちどり・いなおおせどり)の一つ。どんな鳥かは不詳だが、セキレイ、トキ、スズメ、クイナ、バン、タマシギなどに当てる諸説がある。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「山田守る秋の仮廬に置く露は稲負鳥の涙なるべし」(出典:新撰万葉集(893‐913)上)

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