(読み)トキ

デジタル大辞泉 「鴇」の意味・読み・例文・類語

とき【×鴇/朱鷺/×鵇/桃鳥】

ペリカン目トキ科の鳥。全長77センチくらいで、淡紅色を帯びた白色。顔と脚が赤く、頭に冠羽があり、くちばしは黒く、下方に曲がる。水田湿地でタニシ・ドジョウ・サワガニなどを捕食。巣は高い木の上に作る。東アジアに分布するが絶滅が危惧されている。特別天然記念物国際保護鳥学名、ニッポニア・ニッポン。トキ科にはクロトキ・ショウジョウトキなども含まれる。 秋》
[補説]「鵇」は国字。日本では明治中ごろまで各地に生息したが、急激に数が減少し、昭和56年(1981)最後の5羽が捕獲・保護されたことで野生絶滅。最後の個体は平成15年(2003)死亡。佐渡島では中国産の個体で人工繁殖を行っており、平成20年(2008)より成体の放鳥開始、その後は自然繁殖もみられるようになった。これを受けて平成31年(2019)に環境省レッドリスト改訂、トキは「野生絶滅」から「絶滅危惧ⅠA類」に変更された。

とき[列車]

上越新幹線で運行されている特別急行列車愛称。平成14年(2002)運行開始。高崎・越後湯沢・長岡などを経由して東京・新潟駅間を結ぶ。2階建て車両E4系が使用される際の名称は「Maxマックスとき」。

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精選版 日本国語大辞典 「鴇」の意味・読み・例文・類語

とき【鴇・朱鷺・桃花鳥】

  1. 〘 名詞 〙
  2. トキ科の鳥。全長七〇~八〇センチメートル。シラサギに似ているが、嘴が太い円筒状で下方に曲がる。羽毛は白く、翼と尾羽鴇色(淡紅色)を帯び、顔は皮膚が裸出して赤色を呈する。嘴は黒く、あしは赤い。水田・湿原などで小動物を捕食する。かつては国内各地で見られたが、美しい羽のため捕獲され激減した。佐渡に生き残っていた五羽が人工繁殖のため昭和五六年(一九八一)に捕獲され、野生個体はいなくなった。一時、飼育下で生き残っていた雌一羽のみになったが、平成一一年(一九九九)中国から雌雄二羽を贈呈されひなが誕生した。特別天然記念物および国際保護鳥。とう。《 季語・秋 》 〔撮壌集(1454)〕
  3. ときいろ(鴇色)」の略。

つき【鴇・鴾・

  1. 〘 名詞 〙 鳥「とき(鴇)」の古名。〔十巻本和名抄(934頃)〕

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普及版 字通 「鴇」の読み・字形・画数・意味


15画

[字音] ホウ(ハウ)
[字訓]がん

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ほう)。〔説文〕四上に「鳥なり。、尺(せきし)を出だす」とあり、尺を除き、その余肉を食らうべしとするものであろう。雁に似て大、のがんをいう。

[訓義]
1. のがん。
2. と通じ、くろあしげの馬。
3. やりて婆。男は亀、女は鴇という。
4. わが国では、とき。

[下接語]
雁鴇・軽鴇・鴻鴇・沙鴇・射鴇・集鴇


14画

(異体字)鴇
15画

[字音] ホウ(ハウ)
[字訓] くろあしげ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(ほう)。〔爾雅、釈畜〕に「驪白(りはく)雜毛はなり」とあり、〔詩、風、大叔于田〕の〔伝〕には字を鴇に作る。鴇はのがん、両字通用する。

[訓義]
1. くろあしげの馬、かすげ。
2. 字はまた鴇に作る。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鴇」の解説

鴇 (ノガン)

学名:Otis tarda
動物。ノガン科の鳥

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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