積水化学工業(読み)せきすいかがくこうぎょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「積水化学工業」の意味・わかりやすい解説

積水化学工業(株)
せきすいかがくこうぎょう

プラスチック総合加工メーカーで、プレハブ住宅の大手。1947年(昭和22)日本窒素肥料(現チッソ)の一部従業員がプラスチックの総合事業化を目ざして積水産業を設立。翌年奈良工場を開設し、日本初のプラスチック自動射出成型事業を開始、社名を積水化学工業改称。その後、京都工場、尼崎(あまがさき)工場、東京工場、大阪旭(あさひ)工場、滋賀栗東(りっとう)工場などを開設し、硬質塩化ビニルパイプ、プラスチックテープ、塩化ビニル建材製品などの生産を開始した。1960年前後には、積水スポンジ工業(現積水化成品工業)、積水ハウス産業(現積水ハウス)、積水精機製作所(現積水工機製作所)などの会社を設立。1968年に住宅産業への進出を決定、71年からユニット工法住宅「セキスイハイム」の販売を開始し、92年度には年間総販売数が3万戸に達する事業に成長した。1980年代からは、新たな戦略的新規事業として、エレクトロニクス事業の研究開発にも力を注いでいる。資本金1000億円(2008)。売上高3684億円(2008)で、住宅が44%を占める。

[中村青志]

『積水化学工業株式会社編・刊『30年の歩み 積水化学工業株式会社』(1977)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「積水化学工業」の意味・わかりやすい解説

積水化学工業
せきすいかがくこうぎょう

化成品,樹脂加工品製造会社。1947年日本窒素肥料(→チッソ)の従業員によりプラスチック製品の総合事業化がはかられ,積水産業として創立。翌 1948年現社名に変更。1952年塩化ビニル管「エスロンパイプ」,1957年ポリエチレン製バケツ「ポリバケツ」,1961年プラスチック製ごみ容器「ポリペール」を発売。1960年住宅関連事業部を分社して積水ハウス産業(→積水ハウス)を設立,1971年には社内にユニット工法の住宅部門を新たに設立し,「セキスイハイム」として全国に販売会社を展開。戸建て住宅のほか,自動車,情報技術,エレクトロニクス関連における高機能プラスチック製品,ライフラインを支える資材などを事業の柱とする。

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百科事典マイペディア 「積水化学工業」の意味・わかりやすい解説

積水化学工業[株]【せきすいかがくこうぎょう】

1947年積水産業として設立,1948年現名。塩化ビニル製パイプで発展基礎を固め,1957年オールプラスチック製住宅の開発に着手。1960年ハウス事業部を積水ハウス産業(積水ハウス)として分離,1971年ユニット型住宅を発売,その最大手となる。光熱費ゼロ住宅が伸びる。本社大阪,工場東京,滋賀など。2011年資本金1000億円,2011年3月期売上高9154億円。売上構成(%)は,住宅46,環境・ライフライン20,高機能プラスチックス30,その他4。海外売上比率20%。→化学工業
→関連項目旭化成[株]

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「積水化学工業」の解説

積水化学工業

正式社名「積水化学工業株式会社」。英文社名「Sekisui Chemical Co., Ltd.」。化学工業。昭和22年(1947)「積水産業株式会社」設立。同23年(1948)現在の社名に変更。大阪本社は大阪市北区西天満。東京本社は東京都港区虎ノ門。総合化学メーカー。ユニット型住宅・管工機材・建材用化成品・高機能プラスチックなどを製造。東京証券取引所第1部上場。証券コード4204。

出典 講談社日本の企業がわかる事典2014-2015について 情報

世界大百科事典(旧版)内の積水化学工業の言及

【積水ハウス[株]】より

…プレハブ住宅業界のトップ企業。前身は,プラスチックの総合会社,積水化学工業(1947設立)のハウス事業部で,1960年8月に積水ハウス産業(株)として独立,設立された(1957年積水化学がオールプラスチック製住宅開発の方針を打ち出し,60年に完成し,その販売のため同年3月に設けられたのがハウス事業部である)。当初は苦難期が続いたが,63年,積水化学専務の田鍋健が社長に就任し,社名を現在の積水ハウス(株)に変更し,積水化学工業からの出向社員をすべて移籍させて名実ともに独立した会社にするなど,大幅な改革を実施した。…

※「積水化学工業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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