日本大百科全書(ニッポニカ) 「積水ハウス」の意味・わかりやすい解説
積水ハウス(株)
せきすいはうす
住宅産業のトップメーカー。1960年(昭和35)、プラスチックを多用したプレハブ住宅を開発した積水化学工業のハウス事業部を母体に積水ハウス産業として設立。当初の売れ行きは低調であったが、1963年に社名を積水ハウスに変更し、自社社員による直販・責任施工方式を採用、営業体制の強化を図った。プレハブは安物というイメージを払拭(ふっしょく)するため、高級タイプの住宅の発売も開始した。その後、自由設計を住宅の基本とする方針と工場での大量生産という矛盾を解消するため、コンピュータを導入して千差万別ともいえるプレハブ・オーダーの多様化、合理化を進めた。1970年代後半に入ると、戸建住宅やアパート建築に加え、都市開発事業に参入し、分譲マンション事業を各地で展開した。本業の住宅産業でもヒット商品を発売し、1984年発売の高級住宅「イズシリーズ」はプレハブ住宅のイメージを大きく変えた。鉄骨プレハブを主力商品とするが、1995年(平成7)に積水ハウス木造を吸収合併し、木造住宅「シャーウッド」も展開している。資本金1866億円(2008)、売上高1兆1952億円(2008)。
[中村青志]
『積水ハウス社史編纂室編纂『住まい文化の創造をめざして――積水ハウス30年の歩み』(1990・積水ハウス)』