改訂新版 世界大百科事典 「空気清浄機」の意味・わかりやすい解説
空気清浄機 (くうきせいじょうき)
空気中の粉塵や浮遊細菌を除去し,煙などのにおいを取り去って空気を浄化する機械。タバコの煙のような0.01μm程度の粒子まで取り除く。ビルの冷暖房装置にも組み込まれているが,一般家庭用としてはアメリカで花粉病の問題が契機となり,その対策として市販されはじめた。日本では自動車の排気ガスや有毒ガス,工場のばい煙などによる大気汚染の公害が社会問題になった昭和30年代後半から市販されている。フィルター式と電気式がある。前者はファンにより汚染空気を吸引し,脱臭フィルターなどによりろ過する比較的簡単な構造のものである。電気式はファンにより空気を吸引しフィルターを通すほか,電気集塵装置でほこりを陽イオン化し電極に吸着し,さらに,爽快感をもたらす陰イオンを発生させて送り出す構造である。
執筆者:大村 直己
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報