六訂版 家庭医学大全科 「穿孔外傷」の解説
穿孔外傷
せんこうがいしょう
Perforating injury
(眼の病気)
どんな外傷か
穿孔外傷とは、強い打撲、
原因は何か
原因としてよくみられるものには、交通事故、労働災害、突発事故などによる強い眼球打撲や、フロントガラスや眼鏡の破損、草刈り作業中の鉄片飛入異物、さまざまな刺傷などがあげられます。
症状の現れ方
主な症状は
検査と診断
穿孔外傷はすべて眼科専門医の治療が必要になります。点眼麻酔を十分に行ったあと、静かに眼をあけさせると、角膜あるいは
眼内異物が疑われた場合には、異物をみつけるために超音波検査、CT、異物撮影などの画像診断が必要になります。また眼内組織の損傷程度を知るために、
治療の方法
ほとんどの例では入院が必要で、手術を行います。眼内異物は除去しなければなりません。穿孔創、裂傷は縫合します。外傷性白内障(はくないしょう)や硝子体出血、網膜病変などの眼内組織の損傷に対する治療はケースバイケースです。損傷の程度によって異なりますが、複数回の手術を必要とするものもあります。
また外科的治療と同時に、感染予防のために抗菌薬の投与と、炎症を抑えるための副腎皮質ホルモン薬の投与を開始します。
応急処置はどうするか
受傷後可能なかぎり早急に眼科専門医の診察を受けるべきです。現場での処置としては、眼の周囲を清潔に保ち、圧迫は極力さけ、眼帯を使用し、安静を保ちます。眼科受診までに時間がかかる場合、あるいは眼科受診が困難な場合には、まず内科や外科を受診し、抗菌薬の投与を受けるのもよいと思います。
稲富 誠
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報