竹沢先生と云ふ人(読み)タケザワセンセイトイウヒト

デジタル大辞泉 「竹沢先生と云ふ人」の意味・読み・例文・類語

たけざわせんせいというひと〔たけざはセンセイといふひと〕【竹沢先生と云ふ人】

長与善郎思想小説自身が主宰する同人誌不二ふじ」に、大正13年(1924)から大正14年(1925)にかけて連載

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精選版 日本国語大辞典 「竹沢先生と云ふ人」の意味・読み・例文・類語

たけざわせんせいというひとたけざはセンセイといふひと【竹沢先生と云ふ人】

  1. 長与善郎作。大正一三~一四年(一九二四‐二五)発表。主人公竹沢先生死後、弟子塚本が手紙随筆などに基づいて先生の思想や生活を回想するという形式で竹沢先生を通し作者自身の人生観を表わした独特な思想小説。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹沢先生と云ふ人」の意味・わかりやすい解説

竹沢先生と云ふ人
たけざわせんせいといふひと

長与善郎長編小説。 1924~25年発表。日本近代医学の先駆者であった父長与専斎を偲びつつ,父から受継いだ資質のままに,おりにふれての人生観,世界観,宗教観などを,自己の分身である竹沢先生に語らせるという趣向の小説。西洋東洋の調和融合の姿勢で穏健な教養,思想が述べられ,作者の代表作となった。

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世界大百科事典(旧版)内の竹沢先生と云ふ人の言及

【長与善郎】より

…自らの失恋と恋愛結婚を描いた《盲目の川》(1914),《彼等の運命》(1915‐16)の長編小説によって作家としての自己を確立し,次いで強烈な個性どうしの葛藤を描いた戯曲《項羽と劉邦》(1916‐17)によって劇作家として認められ,人道主義作家として文壇で活躍する。その後,大正期後半の代表作としては短編小説《青銅の基督》(1923)と長編の教養小説《竹沢先生と云ふ人》(1924‐25)がある。前者は,みごとなキリスト像をつくったがゆえに処刑される青年鋳物師の苦悩を描き,後者は,作者の東洋哲学風の人生観,自然観などを全面的に展開したものである。…

※「竹沢先生と云ふ人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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