(読み)かけい

日本大百科全書(ニッポニカ)「筧」の解説


かけい

を引くために架設した(ひ)。懸樋(かけひ)ともいう。通常竹筒でつくられるが、製の場合もみられる。古くは自然の湧水(わきみず)や小川から台所や手水(ちょうず)に水を引くのに用いられた。また、井戸から台所に水を引く場合もある。豊臣(とよとみ)秀吉が築いた大坂城の山里丸のように、茶の湯の場に山里の景が好まれるようになると、蹲踞(つくばい)に筧が組み合わされ、また庭に風情を添えるために筧がつくられるようになる。

 現代の庭園でも、茶庭の露地の蹲踞などに筧がつくられる。その多くは水道を利用するため、竹柱を立て、その上に駒頭(こまがしら)とよぶ木片をのせ、駒頭に水口となる竹をつけて、その中を水を通している。また、循環ポンプをつけた金属パイプ製の筧が住宅庭池用につくられている。

平井 聖]

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デジタル大辞泉「筧」の解説

かけ‐ひ【×筧/懸け×樋】

地上にかけ渡して水を導く、竹や木のとい。かけどい。かけい。

かけ‐い〔‐ひ〕【×筧/懸け×樋】

かけひ

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世界大百科事典 第2版「筧」の解説

かけい【筧】

泉のわく所から縁先の手水鉢へ清水を導く樋(とい),またはその仕掛け。〈かけひ〉ともいい,懸樋とも書く。樋には節抜きまたは半割りの竹やくり抜きの木が用いられた。その水の落ちる音の閑寂なが好まれて《後拾遺集》以降の多くの和歌にうたわれ,また《北野天神縁起》《一遍上人絵伝》などに描かれるので,平安時代末ころから用いられたと思われる。茶の湯の発達にともない,蹲踞(つくばい)にしかけて水を落とすことが,さらにいっそう好まれるようになった。

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世界大百科事典内のの言及

【筧】より

…泉のわく所から縁先の手水鉢へ清水を導く樋(とい),またはその仕掛け。〈かけひ〉ともいい,懸樋とも書く。樋には節抜きまたは半割りの竹やくり抜きの木が用いられた。その水の落ちる音の閑寂な趣が好まれて《後拾遺集》以降の多くの和歌にうたわれ,また《北野天神縁起》《一遍上人絵伝》などに描かれるので,平安時代末ころから用いられたと思われる。茶の湯の発達にともない,蹲踞(つくばい)にしかけて水を落とすことが,さらにいっそう好まれるようになった。…

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