精米機(読み)せいまいき

精選版 日本国語大辞典 「精米機」の意味・読み・例文・類語

せいまい‐き【精米機】

  1. 〘 名詞 〙 玄米をついて、外皮をとり除き白くする機械
    1. [初出の実例]「次は塩田善之助の精米機(セイマイキ)次は三重県出品の製茶機械」(出典風俗画報‐二六九号(1903)機械館)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「精米機」の意味・わかりやすい解説

精米機
せいまいき

玄米から糠(ぬか)の層を除いて精米精白米)にする機械。臼(うす)の中に入れたもみを足踏みや水車駆動の杵(きね)で搗(つ)く方式が、古くから農村で利用されてきたが、1870年代(明治初期)には臼の中央部で縦軸螺旋(らせん)を回して精米にする方式がアメリカから輸入され、精米業者の間での利用が広まった。また、1890年代には、横型円筒の中で螺旋ロールが回転する円筒摩擦式がアメリカから導入され、国内で改良が加えられて広く利用されるようになった。円筒摩擦式は、玄米がロールで円筒先端の精白室に送られて相互摩擦によって精白されるものである。1920年(大正9)ごろには、金剛砂のロールが円筒内で回転する研削式が開発された。これは、玄米がロールと円筒のすきまを通る間に研削されて精白されるものである。これらの摩擦式や研削式精米機は、玄米の張り込みおよび循環用の昇降機と組み合わせた大型のもので、おもに精米麦業者によって利用されてきた。

 1930年(昭和5)ごろには、摩擦式の一種で、玄米がタンクと精白部の間を循環する小型の自動循環式が出現し、第二次世界大戦後には農家の自家飯米用としての利用が急速に広まった。さらに1965年(昭和40)ごろには、摩擦式の一種で、タンクに張り込んだ玄米が精白部を通過する間に精白されて排出される1回通し式が出現し、農家用として利用されている。商業用としては、摩擦式と研削式を組み合わせたものなどが使用されている。

[入江道男]


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百科事典マイペディア 「精米機」の意味・わかりやすい解説

精米機【せいまいき】

ロール,円筒,抵抗板などの間に玄米を通して,摩擦,研削,衝撃などにより,(ぬか)や胚芽を取り除く機械。飯米用に広く使われる横型円筒摩擦式,酒造米用に使われる立型研削式,農家などで使われる自動循環式や臼(うす)式がある。
→関連項目農業機械

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栄養・生化学辞典 「精米機」の解説

精米機

 コメをとう精する機械.

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世界大百科事典(旧版)内の精米機の言及

【精米】より

…玄米からぬか層および胚芽を除去したものをいう。玄米組織のなかでぬか層の比率は重量で5~6%,胚芽は2~3%であり,精米機でぬか層,胚芽を十分に除去した精米(完全精米ともいう)の搗精(とうせい)歩留りは普通91~92%である。これに対し搗精の程度を軽くし,ぬか層,胚芽の約50%を除いたものを五分搗精米(半搗(はんつき)米),約70%を除いたものを七分搗精米といい,それぞれ搗精歩留りは96,94%であるが,最近ではほとんど使われておらず,一般に市販されているものはぬか層,胚芽を十分に除去した完全精米である。…

※「精米機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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