デジタル大辞泉 「精錬方」の意味・読み・例文・類語 せいれん‐かた【精錬方】 江戸幕府が文久元年(1861)に教育研究機関の蕃書調所に設置した化学部門。東京大学理学部化学科の前身。佐賀藩でも、嘉永5年(1852)に藩主鍋島直正が精錬方を設け、反射炉・大砲・蒸気機関などの研究・製造を行っている。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「精錬方」の意味・わかりやすい解説 精錬方せいれんかた 幕末の佐賀藩に設置された理化学の研究・実験施設。1852年(嘉永5)、反射炉による大砲鋳造に必要な硝酸、硫酸、塩酸などについての知識を得る目的で、佐賀城の北にあった高岸村に開設。佐野常民(つねたみ)をはじめ広く技術者を集めて、蘭書(らんしょ)による火薬、弾丸の製造など軍事技術の研究のほか、ガラス、石炭、せっけん、写真機をつくり、のちには蒸汽船、蒸汽車の模型も試作、また1869年(明治2)にはここで藩政改革の「条綱書」も印刷された。[石塚裕道] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例