(読み)ソウ

デジタル大辞泉 「糟」の意味・読み・例文・類語

そう【糟】[漢字項目]

[音]ソウ(サウ)(呉)(漢) [訓]かす
酒かす。「糟糠そうこう糟粕そうはく

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精選版 日本国語大辞典 「糟」の意味・読み・例文・類語

かす【糟・滓・粕】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 液体をこしたあとに残った不純物。おり。おどみ。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    2. 酒のもろみを醸(かも)し、液汁をこして残るもの。酒のかす。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    3. よい所を取り去ってあとに残ったもの。くず。つまらぬもの。のこりくず。不用なもの。
      1. [初出の実例]「五千の人は中道の真味を失ひて、但、断常の糟(カス)を得たらく耳(のみ)」(出典:法華義疏長保四年点(1002)四)
      2. 「腹からは信じきれない何か滓(カス)のやうなものが」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉四)
    4. 人をののしっていう語。
      1. [初出の実例]「糟(カス)(こっぱ)の二言は皆在沢山而令卑語也」(出典:譬喩尽(1786)二)
    5. 花合わせで、一点札。かすふだ。
      1. [初出の実例]「おいらがめくりを引いて居りゃアかすに来る」(出典:歌舞伎・猿若万代厦(1786)三立)
    6. かす(糟)を食う
  2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙 人を表わす語の上に付けてののしる気持をつけ加える。「かす客」「かす公家」「かす芸者」「かす侍」「かす通」「かす禰宜(ねぎ)」「かす売女(ばいた)」「かす奴」「かす野郎」「かすわっぱ」など。

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普及版 字通 「糟」の読み・字形・画数・意味


17画

[字音] ソウ(サウ)
[字訓] かす・もろみ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は曹(そう)。〔説文〕七上に「酒の滓(かす)なり」とし、曹声。籀文(ちゆうぶん)としてをあげる。は曹五上の篆をに作り、その省文。米を主として糟に作り、酒を主としてに作る。〔周礼、天官、酒正〕の〔注〕に「(した)みたるをと曰ひ、まざるを糟と曰ふ」とあり、もとは醇熟したままの酒をいう。酒を漉(こ)した残りのものを粕という。のち、粕を含んだもろみのままのものを糟といい、糟粕と連称し、今はその意に用いる。

[訓義]
1. もろみ、酒の醇熟したもの。
2. かす、酒をしぼったのちのかす。
3. もののかす、朽廃した役に立たぬもの。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕糟粕 阿万加須(あまかす)〔和名抄〕糟 賀須(かす)〔名義抄〕糟 カス 〔立〕糟 アマカス・カス・ヌカ 〔字鏡集〕糟 カス・アケ(マ)カス・サケカス

[熟語]
糟淹糟甕・糟糟蟹・糟害・糟糟朽・糟丘糟糠糟牀糟漿・糟食糟践・糟糟踏・糟頭・糟・糟肉・糟粕糟魄・糟坊・糟
[下接語]
圧糟・鬻糟・鏖糟・丘糟・去糟・挫糟・酒糟・樹糟・焦糟・食糟・新糟・清糟・楚糟・帯糟・糟・買糟・白糟・肥糟・餔糟・用糟・臘糟

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