紀淑望（読み）キノヨシモチ

デジタル大辞泉

き‐の‐よしもち【紀淑望】

［?～919］平安前期の歌人・漢学者。長谷雄はせおの子。大学頭・信濃権守しなののごんのかみ。古今集真名序の作者といわれる。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

き‐の‐よしもち【紀淑望】

1. 平安前期の漢学者、歌人。長谷雄の子。文章生、大学頭を経て東宮学士となり、従五位上に至る。「古今和歌集」の真名序の作者とされる。延喜一九年（九一九）没。

出典　精選版 日本国語大辞典

改訂新版　世界大百科事典

紀淑望 (きのよしもち)
生没年：?-919（延喜19）

平安時代の漢学者，歌人。長谷雄の長男。淑人の兄。896年（寛平8）文章生。文章得業生，大学頭，東宮学士等を経て，912年従五位上。翌年信濃権介を兼ねた。《古今集》真名序の作者とされるが疑わしい。和歌は《日本紀竟宴和歌》や《古今集》《後撰集》などに12首ずつ入集している。〈紅葉せぬときはの山は吹く風の音にや秋を聞きわたるらむ〉（《古今集》巻五）。
執筆者：川口 久雄

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

紀淑望 きの-よしもち

?－919　平安時代前期-中期の漢学者,歌人。
紀長谷雄(はせお)の長男。紀貫之の養子ともいわれる。寛平(かんぴょう)8年(896)文章生(もんじょうしょう)となる。大学頭(だいがくのかみ),東宮学士をへて信濃権介(しなののごんのすけ)。「古今和歌集」以下の勅撰集に和歌3首,「和漢朗詠集」巻頭に漢詩をのこす。「古今和歌集」真名序の作者とする説もある。延喜(えんぎ)19年死去。

出典　講談社