細野燕台(読み)ホソノ エンダイ

20世紀日本人名事典 「細野燕台」の解説

細野 燕台
ホソノ エンダイ

明治〜昭和期の茶人



生年
明治5年7月2日(1872年)

没年
昭和36(1961)年9月24日

出生地
石川県金沢

本名
細野 申三

別名
号=明月谷最明庵

経歴
小学校同級生に作家の泉鏡花、徳田秋声、大蔵大臣を務めた小倉正恒らがいた。家業酒屋継ぎ、父の死後の明治34年骨とう屋に転じた。煎茶人、書家としても知られ、無名時代の北大路魯山人を居候させ、食べ物、陶芸品に興味を持たせ世に出した。実業家、文化人、政治家とも交友を結ぶ。金沢で宮崎友禅斎の墓を発見したのがきっかけで、大正9年三越で加賀友禅祭が行われ加賀友禅ブームを巻き起こす。晩年は魯山人の勧めで鎌倉に移住、明月谷最明庵と称し、読書三昧の日々を送った。篆刻家・北村正枝による伝記「雅遊人」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「細野燕台」の解説

細野燕台 ほその-えんだい

1872-1961 明治-昭和時代の商人,茶人。
明治5年7月2日生まれ。生地金沢で家業の油屋をつぐ。古美術に精通し,のちに骨董(こっとう)業をいとなむ。茶や書でも一家をなした。無名時代の北大路魯山人(ろさんじん)に味覚と陶芸についておしえる。伊東深水のえがいた肖像画「酔燕台翁」がある。昭和36年9月24日死去。89歳。本名は申三。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

デジタル貿易

国境を越えて、データや情報の移転を伴う商取引の総称。ECサイトやコンテンツ配信サービスの利用、国外にある宿泊施設の予約など、インターネットを基盤とし、電子的または物理的に提供される製品・サービス全般を...

デジタル貿易の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android