絶縁協調(読み)ゼツエンキョウチョウ(英語表記)insulation co-ordination

デジタル大辞泉 「絶縁協調」の意味・読み・例文・類語

ぜつえん‐きょうちょう〔‐ケフテウ〕【絶縁協調】

電気設備に発生しうる雷サージなどの異常電圧に対し、各種機器の絶縁強度に対応する避雷器を設置することで絶縁破壊事故を最小限に止めるような設計をすること。

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改訂新版 世界大百科事典 「絶縁協調」の意味・わかりやすい解説

絶縁協調 (ぜつえんきょうちょう)
insulation co-ordination

電力系統各部の絶縁を,絶縁故障を最小限におさえて技術的にも経済的にもまた系統運用上からも全体としてもっともバランスのとれた形にすること。電力事業の初期には各部の絶縁を独立に行ったため,雷によって送電線路での故障が続発すると送電線の碍子個数を増やして線路の絶縁を強化した。このため送電線路で大地へ逃れなくなった雷電圧変電所へ侵入し,変圧器遮断器を破壊することになった。これらの経験から,1928年アメリカのスポーンP.Spornは電力系統各部の絶縁を重要な機器の順に高くすることを提案した。これが絶縁協調という考え方の最初とされる。現在では変電所内機器の絶縁は避雷器の保護を前提としてこれにある安全率だけ高い値にし,送電線路は,開閉サージに耐え,交流では碍子が汚損しても耐えるようにし,雷に対してはある程度のフラッシオーバーはやむをえないという考え方で絶縁協調を実現している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「絶縁協調」の意味・わかりやすい解説

絶縁協調
ぜつえんきょうちょう
coordination of insulation

電力系統の発電・送電・変電・配電用設備の絶縁設計にあたっては,雷によるサージ (電流・電圧の急増) や遮断器の開閉に伴うサージなどの異常電圧に対処するため,アーキングホーンや避雷器などの保護装置やその特性,およびそれぞれの設備の機能と重要性などを考慮して,電力系統全体のバランスをとり,かつ経済的になるように絶縁設計を行う。これを絶縁協調という。

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