雷をはじめとする異常電圧から電力系統を保護する装置。避雷器は電力系統の絶縁協調のかなめともいうべきもので、その特性および設置位置の選定によって、変圧器、母線、碍子(がいし)の個数など、基本的な回路設計にも影響を及ぼすこととなる。電力系統の異常電圧としては、直撃雷や誘導雷などの雷(らい)サージ(外雷)、遮断器などの開閉器の開閉時に発生する開閉サージ(内雷)などがあり、避雷器は、このような異常電圧が発生し、それがある値(定格電圧より高く、他の変圧器・母線などの機器の絶縁破壊電圧より低い)を超えると放電を開始し、送電を継続する役目をする。避雷器の構造は、一般には放電電流と端子電圧(制限電圧)の特性を決める要素と、放電後に系統電圧によって続いて流れようとする電流を阻止する要素から成り立っている。古くは炭化ケイ素の非直線抵抗素子と直列ギャップ(電気接点間の間隔)を用いた避雷器が用いられてきたが、昭和40年代に日本において酸化亜鉛を主成分とする優秀な非線形抵抗体が開発され、その後、この酸化亜鉛素子を用いることにより直列ギャップを必要としない高性能避雷器が開発実用化された。今日では、この酸化亜鉛形避雷器は、日本のみならず諸外国で必要不可欠な避雷装置として利用されるようになった。
[内田直之]
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…架空地線への雷撃電流は鉄塔を通って大地へ流入する。
[避雷器]
おもに変電所などで用いられ,雷による過電圧が加わると大地へ電流を流して過電圧を低減する装置である。過電圧が加わったときだけ働くスイッチの役目をする直列ギャップと非直線抵抗体から構成されていたが,最近,日本でニューセラミックスの一種である酸化亜鉛ZnOを主成分とする優秀な非直線抵抗体が開発されたため直列ギャップは不要になり,世界各国にこの新型避雷器が普及しつつある。…
※「避雷器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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