サージ(英語表記)serge

翻訳|serge

デジタル大辞泉 「サージ」の意味・読み・例文・類語

サージ(serge)

綾織りの洋服地。羊毛製のほか、木綿ナイロン混紡製などがある。学生服などに用いる。

サージ(surge)

うねり。波動。高まり。
火砕サージ

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精選版 日本国語大辞典 「サージ」の意味・読み・例文・類語

サージ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] serge ) 綾目が緯(よこいと)に対してほぼ四五度になっている綾織物。日本の実用毛織物として最も多く、通常、梳毛糸(そもうし)が用いられるが、綿・スフ・絹・合成繊維などでもつくる。ふつう白生地で織って無地に染め、制服地などとする。〔音引正解近代新用語辞典(1928)〕

サージの語誌

「サージ」「サルゼ」「セルジ」「セル」は、直接の語源は異なるが、いずれも古くはギリシア語の sêres に由来する。最も古いのは「サルゼ」で、江戸時代にはある程度普及していたと考えられる。直接の語源はポルトガル語の Sarja。「セルジ」はオランダ語の serge から借用したもの。現在通用している「サージ」は英語 serge の借用で、昭和になってから広く用いられるようになったもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「サージ」の意味・わかりやすい解説

サージ
serge

梳毛糸(そもうし)を用いた綾織の毛織物。語源はラテン語の絹を意味するsericaに由来するといわれ,古くは絹織物であった。イギリスでは,一般的な男女の衣料として用いられるようになったのは19世紀で,それ以前は室内装飾品や,下層階級の外衣として使われていた。日本には1877年(明治10)ころ輸入され,セルジ,セルジスと呼ばれておもに洋服用であった。その後,平織の国産ものが生まれ,セルと呼んで和服用として普及した。サージは経緯(たてよこ)とも36~72番手の梳毛糸を使った2/2綾織で,緯糸に対しほぼ45度の角度で右上がりに斜文線のあるのが特徴である。緯糸に紡毛糸を使ったり,現在ではレーヨン,ポリエステルなど化繊,合繊や,絹との交織もある。本来はメリノ種の羊毛を原料とするのに対し,太い雑種羊毛を原料としたガリ・サージや経綿糸を使った下級品もある。毛サージは普通,ガス焼きと軽い縮絨(しゆくじゆう)をほどこす。強めの縮絨をしてわずかに毛羽のあるものをミルド・サージと呼ぶ。色は紺,黒,ねずみ,白などの無地のほか,霜降り,柄物もある。風合いがよく耐久性に富む実用的な生地として愛好され,子ども服,学生服,各種制服,婦人服背広服など広く用いられている。
執筆者:


サージ
surge

太陽表面の活動領域からコロナに向かって噴出する温度約1万Kのガスの流れのこと。しばしばフレアに伴って起こる現象である。水素のHα線を通す単色フィルターで彩層を見ると,黒点半暗部の縁に小さな明るい盛り上がった輝点が突如出現し,そこからまっすぐか少し曲がった曲線に沿ってサージが噴出する。太陽面上では暗い筋として見えることが多い。噴出の速度は毎秒100~200kmで,10~20分続いて最大高度20万kmまで達した後,また元の経路を舞い戻る。この経路は強さ150ガウス以下の磁力線を表し,その中をサージの電離したガスが移動する。サージの発生場所には小黒点が群集するが,その成因についてはよくわかっていない。磁場に関係する力(ローレンツ力)が働いて起こるとする考えが有力。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サージ」の意味・わかりやすい解説

サージ
さーじ
serge

広く一般に使われる実用的な織物の一つで、もと梳毛(そもう)糸を使った毛織物が多かったが、現在では化合繊によるものがほとんどである。サージの名称は、イタリア語の絹毛交織物sergeaからきたという説と、ラテン語の絹sericaからきたという説とがあるが、いずれとも決しがたい。組織は斜文組織からなるもので、経緯(たてよこ)ともほぼ同じ密度に織られているため、綾(あや)線は45度に近い線になっており、左下から右上にかけて走っている織面のほうが一般には生地(きじ)の表となる。仕上げには、表面に毛羽を多少残したものと、クリヤー・カットしたものとがある。

 生地の種類には、正則斜文にしたものが普通であるが、山形斜文にしたヘリンボン・サージ、二重織としたダブル・サージなどがあり、薄地のものは春・夏・秋に、厚地は冬の服地に使われ、通学服などには多量に用いられている。比較的安価であるが、使用中に擦れて光りやすいのが難点で、アイロンかけには注意する必要がある。

[角山幸洋]

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知恵蔵 「サージ」の解説

サージ

火砕流」のページをご覧ください。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サージ」の意味・わかりやすい解説

サージ
serge

最も一般的な梳毛織物 (そもうおりもの) の一種。綾織の斜文線が織物の表面の右上から左下にかけて右綾に織られるのが特色。無地物の紺,黒が多いが,ほかに柄物などもつくられている。耐久性に富み,ひだづけしやすいが,着ずれによって光ってくる欠陥がある。用途は学生服,背広などの服地が多い。なお,綿織物,合繊織物にもサージの織り方が適用され,いずれも毛織物のサージに似た風合いを呈するところから服地などに使われている。

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百科事典マイペディア 「サージ」の意味・わかりやすい解説

サージ

綾(あや)織物の一種。本来は梳毛(そもう)糸を用いるが,紡毛糸によるウールン・サージや粗剛な羊毛糸によるガリ・サージ,また絹,綿,化繊,合繊によるものなどがある。紺をはじめ無地染が多いが霜降もある。風合がよく丈夫なので,子ども服,学生服をはじめ広く洋服地として用いられる。

サージ(太陽)【サージ】

太陽表面の活動領域からコロナへ向かって噴出するガスの流れ。温度は約1万K。しばしばフレアに伴って生じる。黒点半暗部の縁に生じた輝点から,まっすぐあるいは少し曲がった曲線に沿って噴出,速度は毎秒100〜200km。最大高度20万kmまで達した後,元の経路を戻る。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「サージ」の解説

サージ

日本では、100Vの交流電力が各家庭やオフィスに供給されるが、落雷などにより瞬間的に高電圧の電流が流れることがある。ごく短時間とはいえ、場合によって電圧は数万ボルトに達する場合もある。一般に定格以上の電圧がかかる電源異常は過電圧と呼ばれるが、その持続時間によって、スパイク(ナノ秒~マイクロナノ秒)とサージ(ミリ秒単位)に分類される。

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ダイビング用語集 「サージ」の解説

サージ

水面に起こる波が水中に影響を及ぼす“うねり”の中で、とくに岸に近い部分で発生するものをサージと呼ぶ。波が大きい時はサージも大きくなり、前後に体を揺すられることになる上、視界を悪くすることも多い厄介なシロモノ。底うねりと呼ぶこともある。

出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサージの言及

【異常電圧】より

…運転電圧より高いものと低いものがあるが,高いものを過電圧と呼んでいる。過電圧には大別して雷サージ,開閉サージ,短時間過電圧の3種類がある。サージsurgeは電圧の波のことで,継続時間がきわめて短く,波として送配電線の上を伝搬していく電圧を表している。…

【異常電圧】より

…過電圧には大別して雷サージ,開閉サージ,短時間過電圧の3種類がある。サージsurgeは電圧の波のことで,継続時間がきわめて短く,波として送配電線の上を伝搬していく電圧を表している。雷サージは自然雷に起因する異常電圧で,送配電線では避雷針に相当する架空地線を上に張って直撃を極力防いでいる。…

【セル】より

…単(ひとえ)の和装地で1899年,愛知県下で初めて織られた。セルはサージsergeが語源らしいが別種。平織がほとんどで二幅(75cm)に織って用いた。…

※「サージ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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