継飛脚(読み)ツギビキャク

デジタル大辞泉 「継飛脚」の意味・読み・例文・類語

つぎ‐びきゃく【継(ぎ)飛脚】

江戸時代幕府が各宿駅に配置し、重要文書や貨物を継送させた飛脚

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精選版 日本国語大辞典 「継飛脚」の意味・読み・例文・類語

つぎ‐びきゃく【継飛脚・続飛脚】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 先の飛脚を引き継いで出す次の飛脚。
    1. [初出の実例]「従是之飛脚労候者、可続飛脚事専一候」(出典:上杉家文書‐永祿一二年(1569)一一月二八日・北条氏政書状)
  3. 江戸時代、幕府が各宿駅に配置して老中証文以下の重要文書・貨物などを継送させた飛脚。徳川家康が天正一八年(一五九〇)の江戸入府に際し、馬込勘解由らに道中伝馬役を命じて逓送円滑をはかったのが始まり。その人夫は「御用」の合符をつけた小葛籠を肩にして疾駆し、宝暦(一七五一‐六四)ごろ江戸・京都間を七〇時間弱で継送したという。〔財政経済史料‐九・交通駅伝・助成米金・寛永一〇年(1633)三月二七日〕

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百科事典マイペディア 「継飛脚」の意味・わかりやすい解説

継飛脚【つぎびきゃく】

徳川家康の江戸入城時(1590年)に起源する江戸幕府公用飛脚伝馬朱印のある重要公文書を継送し,江戸では伝馬町の人夫がこれにあたった。老中所司代大坂城代駿府城代勘定奉行などが主に利用し,1633年以降は各街道宿場に継飛脚給米を与えた。所要時間はまちまちだが,江戸〜京都間で65〜80時間ほど。

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旺文社日本史事典 三訂版 「継飛脚」の解説

継飛脚
つぎびきゃく

江戸時代,幕府公用の飛脚
1633年以後,幕府は諸街道の宿駅に継飛脚給米を与えて脚夫を配置し,公用の信書・貨物を継送させた。昼夜を問わず出され,所要時間は江戸〜大坂間で急行便は72〜74時間,中急行便で4〜5日,通常便5日とされた。

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