継子立(読み)ままこだて

精選版 日本国語大辞典 「継子立」の意味・読み・例文・類語

ままこ‐だて【継子立】

  1. 〘 名詞 〙 碁石でする遊びの一種黒白の石それぞれ一五個ずつ、合計三〇個を何らかの順序円形に並べ、あらかじめ定められた場所にある石を起点として一〇番目にあたる石を取り除き、順次一〇番目の石を取っていって、最後に一つ残った石を勝とするもの。石の排列をくふうして、黒が勝つように、また白が勝つように、さらに特定の石が勝つようにすることができる。白・黒を、それぞれ先妻の子・後妻の子に見立ててあるところからこの名がある。継子算
    1. [初出の実例]「ままこだてといふものを双六の石にて作りて」(出典:徒然草(1331頃)一三七)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「継子立」の意味・わかりやすい解説

継子立
ままこだて

中国の文献にはみられない数学遊戯の一つ。吉田光由が『塵劫記』 (1627) に載せてから有名になった。子供が 30人いて,先腹 (先妻) と当腹 (継母) の子が 15人ずついる。先腹の子を黒い碁石で,当腹の子を白の碁石で表わし,円陣に並べて,当腹の子から右回りに数えはじめて 10番目にあたる者を順次除いてゆき,最後に残った者に跡を取らせる,ということで継母がある仕方で並べた。それでいくと数えはじめの当腹の子が残ることになり,継母の謀略を見破った先妻の子 (継子) は抗議して,同じやり方で先腹の子から左回りに数えることを逆提案する。それでいくとその子が残る。継母はどういう並べ方をしたかという問題である。古くは保元年間 (1156~58) の後白河天皇の頃からあり,日向守藤原通憲がこの算法を伝えたという。『徒然草』などの文献にもみえる。西洋のジョセフの問題,トルコ人とキリスト教徒の問題と同じものである。

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