網代笠(読み)あじろがさ

精選版 日本国語大辞典 「網代笠」の意味・読み・例文・類語

あじろ‐がさ【網代笠】

〘名〙 竹を薄く削ったものを網代形に組んで作ったかぶり笠。
浮世草子・新色五巻書(1698)三「網代(アジロガサ)竹杖、衣の袖を絞り上げ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「網代笠」の意味・読み・例文・類語

あじろ‐がさ【網代×笠】

竹を薄く削ったものを網代に編んだかぶり笠。
[類語]菅笠三度笠編み笠深編み笠市女笠陣笠天蓋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「網代笠」の意味・わかりやすい解説

網代笠
あじろがさ

組み笠の一種。ヒノキをはじめタケマツスギイチイなどの経木(きょうぎ)を網代に組んでつくる笠で、平組みと綾(あや)組みの2種がある。ヒノキの網代笠は、ヒノキガサ、ヒノキダマとよばれ、古く大和(やまと)国の大峰(おおみね)の修験者(しゅげんじゃ)がもっぱら着装したので、ギョウジャガサ、キセンガサともよばれた。その形態は円錐(えんすい)形で、現在は、軽快な日よけ笠、雨よけ笠として、おもに農山村で男子が着用している。なおタケの網代笠は半球形につくられ、これも古くから僧尼に用いられていた。

[宮本瑞夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の網代笠の言及

【笠】より

…江戸時代に入ると,形,材質の違いから,また身分,職業,用途によってさまざまな種類の笠が生まれ,武士はもとより町人,農民など男女を問わず広く用いられた。材料から藺笠,菅笠,竹笠,檜(ひ)笠,藤笠などと呼ばれ,製作上からは編笠,縫笠,組笠,網代(あじろ)笠,塗笠,張笠,綾藺笠などがあった。形の上から平笠,尖(とがり)笠,褄折(つまおり)笠,桔梗(ききよう)笠などがあり,用途上から雨笠,陽笠,祭りや踊りに用いる花笠,戦陣で下級武士のかぶった陣笠や騎射に用いた騎射笠などと呼ばれるものがあった。…

※「網代笠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android