コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

市女笠 いちめがさ

6件 の用語解説(市女笠の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

市女笠
いちめがさ

平安時代以降の代表的な女性用かぶり笠。雨の日や旅行には貴人もこれを用いた。初期のものは傾斜が急で深く,頂に巾子 (こじ) と呼ぶ突出部があるのが特徴であるが,後代になると次第に浅くなる一方,ふくらんだ形に変ってくる。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

いちめ‐がさ【市女×笠】

かぶり笠の一。菅(すげ)などで編み、中央に高く巾子形(こじがた)という突起を作った笠。市女が使用したのでこの名を生じたが、平安中期ごろには上流の女性の外出用となり、男子も雨天のときなどに用いた。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

市女笠【いちめがさ】

頂部に高い巾子(こじ)をつけた笠。物売女が用いたのでこの名があるが,平安中期以後上流婦人の外出用となり,じかにかぶったり,被衣(かずき)の上に着装した。また周縁から薄布をたらし,これを虫の垂衣(たれぎぬ)といった。
→関連項目菅笠壺装束

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

いちめがさ【市女笠】

頂部に高い巾子(こじ)を造作した一種の笠。平安時代に行われたものは周縁部が大きく深く,肩,背をおおうほどであったが,鎌倉時代以後には,小さく浅くなり,巾子の部分も安土桃山時代には先端をとがらせて装飾をほどこすようになった。もともとこの笠はスゲ(菅)製であったが,江戸時代には竹,ヒノキの剝片を組んで紙を張り,これに黒漆を塗った塗笠に変わり,やがてまったく衰滅してしまった。その名の示すように,もとは市女のかぶった笠であったが,平安時代中期以後には上流婦人の外出に着装され,また雨天の行幸供奉(ぎようこうぐぶ)には公卿も着用するようになり,その名も局笠(つぼねがさ),窄笠(つぼみがさ)などと呼ばれた。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

いちめがさ【市女笠】

頂に高い巾子こじのある菅すげの笠。本来、市女が用いた笠であったが、平安中期以降上流の女性の外出用となり、雨天には公卿も用いた。江戸時代には檜ひのきの折ぎ板などを組んで紙を貼り、黒漆を塗るようになった。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

市女笠
いちめがさ

縫い笠の一種。縁(ふち)の張った形に縫い、頂部に巾子(こじ)という高い突起をつくった菅笠(すげがさ)。初め市に物売りに出る女がかぶったところからこの名がある。しかし、平安時代も中期以後には上流婦人の外出に着装されるようになり、旅装としての壺装束(つぼしょうぞく)を構成するようになった。また、雨天の行幸供奉(ぐぶ)には公卿(くぎょう)にも着用されるようになり、局笠(つぼねがさ)、窄笠(つぼみがさ)などともよばれた。当時のものは周縁部が大きく深いので肩や背を覆うほどであったが、鎌倉時代以後のものはそれが小さく浅くなり、安土(あづち)桃山時代では、その先端をとがらせ装飾を施すようになり、江戸時代になると黒漆の塗り笠になって、やがて廃れていった。[宮本瑞夫]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の市女笠の言及

【笠】より

…《万葉集》にも,〈河のしづ菅我が苅りて編まなく〉〈王(おおぎみ)の御笠に縫へる有馬菅〉などとうたわれるように,スゲを苅って笠に編んだことがわかる。平安時代には,武士の旅行用や流鏑馬(やぶさめ)に綾藺(あやい)笠が用いられ,女性の外出用にはもっぱら市女(いちめ)笠が用いられた。江戸時代に入ると,形,材質の違いから,また身分,職業,用途によってさまざまな種類の笠が生まれ,武士はもとより町人,農民など男女を問わず広く用いられた。…

【被り物】より

…烏帽子には立烏帽子と,上部を折った風折烏帽子,和船形の侍(さむらい)烏帽子などがある。この時代武士は,藺を綾編みして頭部をとがらせた綾藺笠を,女子は大型の浅い菅の市女(いちめ)笠を広く着用した。また女子では,日よけ雨よけを兼ねた垂衣(たれぎぬ)や,外出用で顔を隠す被衣(かずき)なども行われた。…

※「市女笠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

市女笠の関連キーワード金巾子金巾子の冠巾子巾子形巾子紙抜き巾子放ち巾子高巾子造作付

今日のキーワード

プレミアムフライデー

経済産業省と日本経済団体連合会などの経済界の団体が個人消費を喚起するため、毎月末の金曜日に午後3時をめどに仕事を終えるよう企業に対応を呼びかけるキャンペーンの名称。2016年12月12日、政府と経済界...

続きを読む

コトバンク for iPhone

市女笠の関連情報