罷り出る(読み)マカリデル

デジタル大辞泉 「罷り出る」の意味・読み・例文・類語

まかり・でる【罷り出る】

[動ダ下一][文]まかり・づ[ダ下二]《「まかりいず」の音変化》
出る」の謙譲語退出する。「御前を―・でる」
人前に出る。出てくる。現代語では、多く「あつかましい」という非難の気持ちを含む。「臆面おくめんもなく―・でる」
[類語]参る参上参じる馳せ参じるいらっしゃるおいでになる行く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「罷り出る」の意味・読み・例文・類語

まかり‐・でる【罷出】

  1. 〘 自動詞 ダ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]まかり・づ 〘 自動詞 ダ下二段活用 〙 ( 「まかりいず(罷出)」の変化したもの )
  2. まかりいず(罷出)
    1. [初出の実例]「おほろかに我し思はばかくばかり難き御門を退出(まかりで)めやも」(出典:万葉集(8C後)一一・二五六八)
  3. まかりいず(罷出)
    1. [初出の実例]「ソノ ユエヲ ウケタマワラウ タメニ カタタノ アタリエ macari(マカリ) deta(デタ)伊吹の舞〕」(出典:ロドリゲス日本大文典(1604‐08))
  4. まかりいず(罷出)
    1. [初出の実例]「母から手紙が来て、明二十五日の午後まかり出るから金五円至急に調達せよと申込んで来た時」(出典:酒中日記(1902)〈国木田独歩〉五月六日)
  5. あつかましい態度で、人前へ出る。「臆面(おくめん)もなく人前にまかりでる」
    1. [初出の実例]「酒とさへ云へば一番先きに罷出(マカリデ)て」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉老余の半生)

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