出る(読み)デル

デジタル大辞泉の解説

[動ダ下一][文]づ[ダ下二]
ある範囲や中から外の方へ動き移る。
㋐そこから外へ行く。「校門をでる」「社会へでる」「迎えにでる
㋑境や一定の限度を越える。「土俵から足がでる」「この線から前へないように」
㋒そこを離れてほかのところへ行く。いままでいたところから別のところへ行く。「旅にでる」「武者修行にでる
㋓卒業する。「大学をでる
㋔(たどって行って、結果として)ある所に行き着く。「左へ曲がると大通りにでる
㋕商品が売れる。はける。「この製品はよくでる

㋐その所、起点から移動を始める。そこから出発する。「今から駅をでる」「悪天候のため、連絡船がない」
㋑根源がそこにゆきつく。由来する。その源から血筋・系統を引く。「論語からた言葉」「平氏では、桓武(かんむ)天皇からた家系が有名」

㋐隠れていたもの、中に入っていたものなどが、表に現れる。現れて見えるようになる。姿を現す。「月がでる」「穂がでる」「穴からでる」「涙がでる」「だしがよくている」「貫禄がてきた」
㋑なくしたものが見つかる。「盗まれた自転車がてきた」
㋒ある作品や場面などに現れる。「ギリシャ神話にてくる美青年」

㋐ある仕事をするために特定の場所にのぞむ。行事、集まりなどに加わる。「会議にでる」「競技大会にでる」「子役ででる」「電話にでる
㋑ある活動をするために、特定の方面・分野にすすんで働きかける。「選挙にでる」「世にでる」「人前にでる
㋒ある態度をとる。ある態度で相手に対する。「下手(したて)にでる」「高飛車にでる
(掲示・掲載したり、ある所に持ち出したりして)広く人に知られるようにする。「テレビにでる」「全集がでる」「夜店がでる
あらたに生じる。
㋐自然現象・出来事などがおきる。発生する。「霧がでる」「シロアリがでる」「水がでる」「犠牲者がでる
㋑地中から、産出される。「温泉がでる」「石油がでる
㋒勢いなどがうまれる。「熱がでる」「やる気がでる」「スピードがでる
㋓考えなどがうまれる。また、いろいろ考えて、ある結果がもたらされる。「妙案がでる」「結論がない」
与えられる。
㋐発令されたり、支払われたりする。「許可がでる」「ひまがでる」「ボーナスがでる
㋑もてなすために用意される。供される。「ごちそうがでる」「茶菓がでる
[補説]文語の下二段動詞「出(い)づ」の連体形「いづる」が終止形としても用いられるようになり、それがさらに「づる」に変化し、この「づる」が下一段化してできた形。
[下接句]足が出る好(い)い目が出る裏目に出る上手(うわて)に出る鬼が出るか蛇が出るか買って出る顔から火が出るぐうの音(ね)も出ない・口に出る・口より先に手が出る口を衝(つ)いて出る子供の喧嘩(けんか)に親が出る下手(したて)に出る地が出る冗談から駒(こま)が出る初日が出る精が出る宝さかって入る時はさかって出る叩(たた)けば埃(ほこり)が出る血の出るよう面(つら)から火が出る手が出ない手も足も出ない出る所へ出る喉(のど)から手が出る火の出るよう瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)が出る襤褸(ぼろ)が出る晦日(みそか)に月が出る右に出る者がない目が出る目から火が出る芽が出る世に出る横と出る涎(よだれ)が出る

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大辞林 第三版の解説

下一 [文] ダ下二 づ
内側から外へ、または人からよく見える所へ移動する。 ⇔ はいる ベルを鳴らすと奥さんがてきた 宿題を忘れた者は前になさい
主要な居所としていたところを離れて別の場所へ行く。 妻も働きにている 旅にでる
それまで社会的に所属していたところから去る。 ⇔ はいる 学校をてから一〇年たった 婚家をでる
仕事や学業などの活動をするために行く。 店にでる 会社にでる
多くの人々が見たり聞いたりするものの中に登場する。 試合にでる=出場スル 芝居にでる=出演スル
(「電話にでる」の形で)電話をうける。
集まりなどに出席・参加する。 同窓会にでる ゴルフのコンペにでる
新たな社会的な活動に乗り出す。 彼は今度の選挙にでる=立候補スルそうだ 社交界へでる
相手に対してある態度をとる。 下手したてでる 横柄な態度にでる
物が移動して中から外、または人の目に見える所に現れる。 ⇔ はいる 煙突から煙がでる 蛇口をひねれば水がでる
外の方へ出っぱる。突き出る。 釘がているから気をつけなさい 腹がだいぶてきた
人に見える場所に設置・掲示・展示される。 『本日休業』の札がている 展覧会に歌麿の名品がている
おおわれていたものが露出される。 雪がとけて山肌がている 地がでる
広く世の中全体に向かって発表される。 四月号がでる
乗り物が出発する。または運行される。 ⇔ はいる まもなくバスがでる この町から大阪行きのバスがています
隠れていたり、どこにいったか分からなくなっていたものが見つかる。 畑から土器がでる なくした鍵がてきた
恐ろしいものが人前に現れる。 追いはぎがそうなさびしい道 幽霊がでる
飲食物や金品が供される。与えられる。 昼食にはカレーが 褒美がでる
商品や金が他所に渡る。 ⇔ はいる この手の物はよくでる=売レル
活字になったものや話などの中に登場する。 この本に作り方がている ギリシャ神話にてくる女神 さっき話にた店へ行ってみよう
人がそこで生まれ育つ。また、物が産出される。 この学校からは多くの音楽家が 金のでる
ある物事があきらかな形で示される。 判決がでる 答えがでる 検査の結果がでる
人の感情などが外に表れる。 怒りが顔にでる いつもの癖がでる
内に秘められている能力などが発揮される。 このテレビは音がない 食欲がでる
ある現象や事態が発生する。起きる。 夕方になって風がてきた 雲がでる 咳がでる 死者がでる 赤字がでる
雰囲気や特徴が表れるようになる。 この絵はよく感じがている 体に丸みがでる いい色が
命令・依頼などのはたらきかけがなされる。 本社から指令がでる 聴衆からは何の質問もなかった
境界線・限界を越える。 素人の域をない作品
…の系統を引く。…に由来する。 相撲用語からた言葉
(「世に出る」の形で)世間の人々に知られるようになる。評判になる。 彼はこの小説で世に づ(出)は、下二段動詞いづ(出)の頭音の落ちたもので、上代から例が見られるが、広く用いられるようになったのは中世以降。穂にし君が見えぬこのころ/万葉集 3506カノ島ヲヅルニ臨ウデ/天草本伊曽保でるは、の下一段化したもので、近世以降一般化した。出すに対する自動詞
[慣用] 足が- ・ 裏目に- ・ 顔から火が- ・ 叩けば埃が- ・ のどから手が- ・ 火の-よう ・ 芽が-ぐうの音も出ない ・ 手も足も出ない ・ 瓢簞から駒が出る ・ 身から出た錆さび

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

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