考文(読み)こうぶん

精選版 日本国語大辞典 「考文」の意味・読み・例文・類語

こう‐ぶんカウ‥【考文】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 令制で、毎年諸官司、諸家がその属官考課結果を報告した文書。〔令集解(701)〕
  3. こうせんぶん(考選文)」の略。
    1. [初出の実例]「公力用公正、綜管選事、考功能、審知殿最、由其称否、察其黜陟、由是国郡考文、姧濫永絶」(出典家伝(760頃)下)

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「考文」の解説

考文
こうもん

律令制下,各官司が所属の官人について,毎年その勤務成績を報告する文書。養老令では,内長上の官について,各官司が9等の考第(こうだい)を定め京官と畿内国司は10月1日,外国(げこく)の国司は11月1日に太政官に送ることとされている。分番については規定がないが,式部・兵部両省に送ったらしい。正倉院文書に残る考文では,前年8月から当年7月までの上日(じょうじつ)数,善・最(さい),功能,評定の考第などを記している。

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世界大百科事典(旧版)内の考文の言及

【上日】より

…欠ければ,その年度は評定の対象外とされた。毎年の評定書である考文(こうもん)や,一定年数の総合評定書で,恒常的な叙位に結びつく選文(せんもん)には,毎年の上日や合計出勤日数が記載された。また在京の諸司および大宰府,壱岐(いき),対馬(つしま)の職事官(しきじかん)たちは,毎年,8月から翌年正月,2月から7月までに,それぞれ120日以上の出勤が記載されると,季禄として,春夏の禄,秋冬の禄が支給された。…

※「考文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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