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聖婚 せいこん

世界大百科事典 第2版の解説

せいこん【聖婚】

〈聖なる結婚〉の意で,男神と女神の結婚,あるいは神と人間との結婚のこと。ギリシア語のヒエロス・ガモスhieros gamos,それに由来する英語ヒエロガミーhierogamyなどの訳語であり,〈神婚〉ともいう。神話や伝説に多数語られており,儀礼を伴っていることも少なくないギリシア神話の主神ゼウスとその正妻ヘラとの結婚は,古代ギリシアでは特別に重要視され,各地で祭式として繰り返し記念され,結婚の神聖と意義を強調する機能を果たした。

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世界大百科事典内の聖婚の言及

【海幸・山幸】より

…また古代の王は,天なる父として母なる地との婚姻を象徴的に演じ,自然の豊饒を招来せねばならなかった。これが即位儀礼の一環としての聖婚である。神話上から言えば,海は大きくは大地に属するものとみなせるから,オオワタツミの女との結婚は聖婚の説話化であったことになる。…

【ヘラ】より

… 彼女の崇拝地としてはペロポネソス半島のアルゴスとイオニア地方のサモス島が名高く,両所では彼女は町の守護神でもあった。またアルゴス,サモスを含むいくつかの土地では,ゼウスとヘラの結婚を記念する〈聖婚hieros gamos〉の儀式が行われ,ボイオティア地方のプラタイアイのそれは,オークの木で作られ,花嫁に付き添う乙女とともに荷車でキタイロン山に運ばれるヘラの神像の名からダイダラDaidala祭と呼ばれていた。美術作品では,ポリュクレイトス(前5世紀後半)作のアルゴスのヘライオンHēraion(ヘラ神殿)の本尊,冠をいただき,一方の手にザクロ,他方にカッコウのとまった笏をもつ巨大なヘラの座像が有名であったが,いまではアルゴスの貨幣の図柄に往時の面影をとどめるにすぎない。…

【女神】より

…女性を鋤(す)きかえされた畑のうねにたとえ,男性性器を鋤(すき)にみたてて,耕作労働と生殖行為を同一視する観念は,農耕社会にきわめて普遍的な観念だったのである。そこには,鋤きかえされた畑のうねで神の聖なる結婚が演じられるとき,初めて大地の豊饒が約束されるという,太古の聖婚(神婚)の記憶の痕跡がみとめられる。まさしく,古代社会において,処女が果たした神の〈聖なる花嫁〉の原型を伝えるものというべきであろう。…

※「聖婚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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