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英雄神話 えいゆうしんわheroic myths

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

英雄神話
えいゆうしんわ
heroic myths

太古に神々と密接な交渉をもちながら活躍したとされる半神的英雄たちを主人公とする神話。メソポタミアのギルガメシュ,ギリシアヘラクレステセウスペルセウスベレロフォン,ローマのロムルスとレムスゲルマンのシグルト,ケルトクフーリン,インドのラーマなどがその典型で,日本の神武東征やヤマトタケル,神功皇后などの物語も明らかにこの類型に属する。英雄神話の主人公の多くは,母は人間の女だが神を父としており,ヘラクレス,ロムルス,ヤマトタケルのように,しばしば双子で,生後すぐ捨て子にされたり,生命を危険にさらされるが,動物や牧夫などに助けられて,奇跡的に生命をまっとうし,成長すると不思議な武器や馬などを手に入れ,彼に迫害を加えた敵を倒し,また悪竜やそのほかの怪物を退治する手柄を立てて,その餌食となるところを救われた美女と結婚する。冥界や他界の訪問も,ギルガメシュ,ヘラクレス,テセウス,クフーリンやローマのアイネイアス,フィンランドのワイナモイネン,ポリネシアのマウィその他,多くの英雄神話に共通するテーマの一つである。英雄の多くは若死にし,ヘラクレスやロムルスのように,死後昇天し神々の仲間入りをしたとされることもある。記紀にみられるヤマトタケルが死後,巨大な白鳥となって御陵から出て,天に飛去ったという話も,この英雄の死後における昇天のモチーフの変化したものと認められる。このように世界中の英雄神話は,内容的に一致する点が多く,これらの英雄神話に共通する枠組みとモチーフは,たとえばアレクサンドロス大王やペルシアのキュロス王,またイエス・キリストなど,歴史的に実在した人物の伝記にも,しばしば取入れられ,それを英雄神話化する。

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デジタル大辞泉の解説

えいゆう‐しんわ【英雄神話】

英雄の生い立ち・行跡(ぎょうせき)などを説いた神話。英雄譚(えいゆうたん)。

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世界大百科事典 第2版の解説

えいゆうしんわ【英雄神話】

創世神話とならぶ神話のもう一つの重要なジャンル。創世神話が世界・人間・文化の起源を語るのに対し,英雄神話は特定の英雄の波乱万丈の生涯を描くのに主眼がある。このような英雄神話が発達したのは旧大陸の古代文明地域とその影響圏であって,ギリシアのオイディプス,テセウス,ペルセウス,ローマのロムルス,ゲルマンのジークフリート,ケルトのアーサー王,東北アフリカのシルック族ニイカング,ジャワのワトゥ・グヌング,高句麗朱蒙,日本の素戔嗚尊(すさのおのみこと)や日本武尊(やまとたけるのみこと)などがその代表例である。

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大辞林 第三版の解説

えいゆうしんわ【英雄神話】

英雄の特異な出生、活躍、遍歴、苦難の打開などを説く神話。

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