ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖憲」の意味・わかりやすい解説
聖憲
しょうけん
[没]元中9=明徳3(1392)
南北朝時代の根来山中性院の学僧。新義真言宗の教学特に加持身説法説の大成者。根嶺先徳,加持門先徳と称された。中性院増喜より中性院流の奥義を伝えられ,次いで中性院第 14世となり,大伝法院学頭にも推される。密教の教主大日如来の仏格に関して頼瑜の加持身説を受けてそれを大成し,『大日経疏』の問題点を 100題に整理して『大疏百条第三重』 (10巻) を著わし,また『釈摩訶衍論』に関して『釈論第三重』 (10巻) を撰す。この両書が以後の新義真言宗を決定した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報