ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エドワード1世」の意味・わかりやすい解説
エドワード1世
エドワードいっせい
Edward I
[没]1307.7.7. カンバーランド,カーライル付近
イギリス,プランタジネット朝のイングランド王 (在位 1272~1307) 。ヘンリー3世の子。 1265年シモン・ド・モンフォールを破り,1271年十字軍に参加。父王の死後その跡を継いで即位。父王ヘンリー3世治世の失政と封建諸侯の反王権行動に学んで,王権の強化と国政の整備に努め,種々の改革立法を行ない,「立法者」の名で知られる。また各地の大諸侯,聖職者を招集して,王や裁判官,評議会の正規の議員とからなる集会をたびたび開き,通常の裁判所では効果的に処理できないような法律問題を決定した。集会はそれぞれ6~7週間続き,人々はしだいにこれを議会と呼ぶようになった。特に 1295年 11月スコットランド遠征の戦費捻出のために開かれた議会は,模範議会として知られる。対外的にはウェールズの征服を完成 (1282) し,長子のためにウェールズ大公 Prince of Walesの称号を復活し,この新しい国王直轄地を与えた。以後イングランド王位継承者が必ず受ける太子領となった。しかし対スコットランド干渉には失敗,後継者に大きな負担を残した。スコットランド遠征中,死去。
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