聖火リレー(読み)セイカリレー

デジタル大辞泉 「聖火リレー」の意味・読み・例文・類語

せいか‐リレー〔セイクワ‐〕【聖火リレー】

ギリシャオリンピア採火された聖火を、オリンピック開催地の主競技場の聖火台まで運ぶリレー。1936年のベルリン大会から実施

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共同通信ニュース用語解説 「聖火リレー」の解説

聖火リレー

1936年のベルリン五輪で初めて実施。ギリシャのオリンピア遺跡太陽光から採火した聖火をリレーし、開会式で五輪スタジアムの聖火台にともされる。夏季五輪では2004年のアテネ五輪から世界各地を回る聖火リレーを始めたが、08年北京五輪の際にチベット問題への抗議などで妨害行為が各地で発生したため、12年のロンドン五輪は英国中心のコースとなった。今年のリオデジャネイロ五輪でも、ギリシャ国内を巡った後、空路ブラジルに運ばれる。(共同)

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精選版 日本国語大辞典 「聖火リレー」の意味・読み・例文・類語

せいか‐リレーセイクヮ‥【聖火リレー】

  1. 〘 名詞 〙 ( リレーは[英語] relay ) アテネのオリンピアで採火した聖火を、国際オリンピック競技大会主競技場聖火台まで運ぶリレー。一九三六年ベルリン大会に始まる。

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百科事典マイペディア 「聖火リレー」の意味・わかりやすい解説

聖火リレー【せいかリレー】

オリンピック大会の開会式典で行われる儀式。パンアテナイア祭の〈たいまつ競走〉の故事にならい,1936年のベルリンオリンピックの事務局長カール・ディームの提案により始められた。ベルリンの組織委員会は,ギリシアオリュンピアで太陽光を凹面鏡で採火した松明(たいまつ)をリレーして,ベルリンの大会会場のメイン・スタジアムまで運び,燃え上がらせる演出を行った。以後の大会では,すべてこの方式が継承され,聖火台に点灯された聖火は大会終了まで燃やし続けられる。1984年のロサンゼルスオリンピックでは,聖火ランナーが1kmにつき3000ドルで公募され,聖火が商品として売り出されたほか,1996年のアトランタオリンピックでは企業が聖火ランナーを公募し,話題になった。2008年の北京オリンピックでは,中国のチベット政策に対する抗議からリレーが妨害される事態も生じた。
→関連項目アリオスロオリンピック(1952年)

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改訂新版 世界大百科事典 「聖火リレー」の意味・わかりやすい解説

聖火リレー (せいかリレー)

オリンピック大会の開会式典を飾る儀式の一つ。古代オリュンピア祭の〈たいまつ競走〉の故事にならい,聖火は聖地オリュンピア(ギリシア)で,古代ギリシアの巫女みこ)に扮した女性により採火される。開会式典でメーンスタジアムの聖火台に点火され,大会の終了まで燃え続ける。この儀式は平和と人類愛をうたうオリンピック理念を象徴するものといわれている。リレー方式が最初に採用されたのは,1936年の第11回ベルリン大会で,聖火コースの設定が当時ナチス政権による〈軍事目的の実地調査〉との批判があった。第18回東京大会(1964)では北と南から日本中を駆けめぐる大がかりな聖火リレーが行われ,オリンピックムードを盛りあげた。第21回モントリオール大会(1976)では聖火が電波信号に変えられて,宇宙衛星中継により一瞬のうちに運ばれた。冬季オリンピック大会でも64年の第9回インスブルック大会から,オリュンピアで点火したものをリレーするようになった。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「聖火リレー」の意味・わかりやすい解説

聖火リレー
せいかりれー

オリンピック開会式の行事の一つ。トーチリレーtorch relayの通称として使われている。国際オリンピック委員会(IOC)のオリンピック憲章に「オリンピック聖火とは、IOC の権限の下にオリンピアで点火された火をいう。オリンピック・トーチとは、運搬用のトーチまたはそのレプリカで、IOC により承認されたオリンピック聖火を燃やすためのものをいう」と規定されている。聖火リレーは1936年の第11回ベルリン大会で初めて採用された。その発案がナチス陸軍のものであるところから、第二次世界大戦後その存続が論議されたが、式典を盛り上げるものとして継続して採用された。この聖火は、古代オリンピック発祥の地オリンピアのヘラ神殿の前で、ギリシアの女優たちにより太陽光から採火され、開催地の国内をリレーされ、開会式の行事にあわせて、メインスタジアムの聖火台に点火される。冬季大会では、オリンピアで採火されたのは第9回インスブルック大会からである。

[鈴木良徳]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「聖火リレー」の意味・わかりやすい解説

聖火リレー
せいかリレー
Olympic torch relay

古代オリンピック発祥の地であるオリュンピアのヘラの神殿の前で,ギリシアの女優たちの手で太陽光線から採火された火(→オリンピック聖火)を,リレーによってオリンピック競技大会開催地のメインスタジアムまで運ぶこと。1936年のベルリン・オリンピック競技大会の際に,スポーツ歴史学者で組織委員会事務総長を務めたカール・ディームの発案で初めて試みられた。第2次世界大戦後,存続の是非が問題になったこともあるが,大会前にオリンピックを盛り上げる効果があり継続された。2004年の第28回アテネ・オリンピック競技大会では,近代オリンピックが最初に開かれた都市に大会が戻ることを記念し,かつてのオリンピック開催都市を中心に史上初の五大陸リレーを行なった。

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世界大百科事典(旧版)内の聖火リレーの言及

【オリンピック】より

…36年,ヒトラー政権下のベルリンで開かれた第11回大会で,ナチ政府は競技場に〈ハーケンクロイツ(かぎ十字)〉の党旗を初めて公式の国旗として掲げるなど政治色が濃かったが,IOCはオリンピック大会の主催権がIOCにあることを主張して,ユダヤ人排斥の宣伝物を会場周辺から撤去させるなど,極力政治的干渉に抵抗し,オリンピック運動の独自性確保に成功した。聖火リレー,聖火台(1936),3段の表彰台(1932)など,のちにIOCで規定される式典様式はこの大会で創始されたものが多く,オリンピック大会の規模と形式は,ロサンゼルスとベルリンの両大会から決定的な影響を受けた。IOCが記録映画をつくるようになったのもベルリン大会からであり,L.リーフェンシュタールの《民族の祭典》と《美の祭典》(ともに1938)はベネチア映画祭で金賞を受賞。…

※「聖火リレー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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