職業別組合（読み）ショクギョウベツクミアイ（その他表記）craft union

デジタル大辞泉

しょくぎょうべつ‐くみあい〔シヨクゲフベツくみあひ〕【職業別組合】

同一職業・職種に従事する労働者によって、産業や企業の枠を越えて横断的に組織された労働組合。組合運動の初期に熟練労働者によって組織され、排他的な傾向が強かった。職能別組合。クラフトユニオン。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

しょくぎょうべつ‐くみあいショクゲフくみあひ【職業別組合】

1. 〘 名詞 〙 同一の職業的技能を持つ労働者が、産業別・企業別ではなく、個人加盟の形で結成する労働組合。職業別労働組合。職能別組合。クラフト‐ユニオン。職組。〔最新百科社会語辞典（1932）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

職業別組合
しょくぎょうべつくみあい
craft union

職種別組合，職能別組合ともいう。同一職業，同一職種に従事する労働者が，産業，企業などの枠をこえてつくる横断的組合。 1850年から 70年代にかけてのイギリスでは，ほとんどの組合は熟練工が中心となって結成した職業別組合であった。しかしこれは熟練工の利益擁護的色彩が強く，排他的となりがちであり，労働者全般の利害に関心を示さない傾向があった。 19世紀末になると機械化の進展に伴い，熟練工を中心とする職業別組合成立の基盤は弱まり，代って未熟練工を中心とする一般労働組合や産業別組合が主流となった。イギリスでは今日でも，建設業などでは職業別組合が支配的であるが，日本では 20世紀初頭に現れた活版工組合，鉄工組合などいくつかの例を除いて，今日では著しく例外的な形態といえる。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

改訂新版　世界大百科事典

職業別組合 (しょくぎょうべつくみあい)

→クラフト・ユニオン

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

百科事典マイペディア

職業別組合【しょくぎょうべつくみあい】

→クラフト・ユニオン

出典　株式会社平凡社

世界大百科事典（旧版）内の職業別組合の言及

【クラフト･ユニオン】より

…職能別組合または職業別組合と訳され，労働組合の古典的形態である。同一種類の技能をもつ熟練労働者によって組織され，徒弟制度での一定期間の修業を終えたもの，というような厳しい加入資格を定めているものが多かった。…

【労働運動】より

…こうして労働組合は長い運動の結果ようやく認知され，しだいに安定した組織として定着した。当時の組合の大部分は職業別組合(クラフト･ユニオン)であり，熟練労働者のみで構成された。政治活動やストライキを禁欲し，徒弟制度や共済基金をてことして，もっぱら労働市場への供給制限を通じて間接的に労働条件の維持･改善を図ることに，この組合の特徴がある。…

【労働組合】より

…つまり労働組合は，一定の範囲の労働市場の労働者を組織して，使用者が労働組合と取引することなしには必要な労働者を獲得できない状態をつくり出し，そのうえで労働条件の交渉を行うのである。その労働市場の範囲のあり方にしたがって労働組合の形態は，職業別組合(クラフト･ユニオン)，産業別組合，一般組合，あるいは日本に多い企業別組合というような，さまざまな組織形態に分かれる。この労働市場のあり方は時代により国によって異なるため，労働組合の組織形態もこれらの条件にしたがって変化している。…

※「職業別組合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」