肉食動物(読み)ニクショクドウブツ

世界大百科事典 第2版の解説

にくしょくどうぶつ【肉食動物 carnivorous animal】

このことばは,(1)鳥獣主食とする哺乳類(この意味では英語flesh eaterという表現がある),(2)捕食性動物食動物,(3)動物食動物の3通りの意味で使われる。本来は(1)のみを意味するものであったが,一方では哺乳類以外の運動性動物一般へ,さらに固着性動物も含む動物一般へ,一方では鳥獣食以外の昆虫食,魚食,貝食などへ,さらにプランクトン食も含む動物食一般へと概念が拡張されて,(2)と(3)の意味が生まれた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

肉食動物
にくしょくどうぶつ

動物性の食物を摂取する動物をさす。このような食性を肉食性という。この食性の動物は、餌(えさ)となる動物の運動能力や、すみ場所、体の大きさに応じてさまざまな捕食器官を発達させている。餌動物が活発に運動するものの場合には、それを確実に捕まえて逃がさないことが重要で、歯や嘴(くちばし)、そして足のつめが鋭くなっている。一方、オキアミを海水中から漉(こ)し取って食べるヒゲクジラ類のように、小さな食物を大量に集めることに適している動物もいる。捕食行動にはいくつかの型がある。餌を探し追いかけて捕まえる方法や、待ち伏せして近づいた動物を捕まえる方法、それに、身近にいて捕まえやすい動物を効率よく大量に集める方法などがある。昆虫のハンミョウは、成虫は地面の上で餌虫を探し回るが、幼虫は地面に掘った穴の中で待ち伏せる。

 動物性の食物は、植物性のものより消化の面では効率がよい。しかし、動物は骨格や体毛が発達していることが多いので、まるごと餌を飲み込むフクロウやカワセミは、そのような消化できないものをまとめて口から吐き出すが、これをペリットとよぶ。生態系のなかで肉食動物は物質の流れの後部にいる。そのために近年の環境汚染下では有害物質の生物濃縮が強く現れることが問題となる。肉食動物は餌動物の個体数を極度に減らすことがあるが、その個体数をかならずしも調節はしない。

[高村健二]

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精選版 日本国語大辞典の解説

にくしょく‐どうぶつ【肉食動物】

〘名〙 肉食性の動物。食物とする動物を捕えるため、鋭い嗅覚・歯・爪、大きな口、強大なからだなどを具えるものが多い。⇔菜食動物。
※裸に虱なし(1920)〈宮武外骨〉肉食人と菜食人「肉食動物(ニクショクドウブツ)の眼は顔の前面に附き」

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