食の医学館 「胃弱・消化不良」の解説
いじゃくしょうかふりょう【胃弱・消化不良】
《どんな病気か?》
胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)などの器質的な病変がないにもかかわらず、慢性的に胸やけ、胸痛、膨満感、もたれ、嘔吐(おうと)、腹痛などの症状が現れるのが、いわゆる胃弱(いじゃく)です。消化管運動機能障害が原因で、「上腹部不定愁訴(ふていしゅうそ)(NUD)」と診断されることもあります。
胃弱の人やお年寄りは消化不良を起こしやすくなりますが、食物繊維の多い食品や塩分の多い食品のとりすぎ、ストレス、不規則な生活なども消化機能の低下をまねきます。
《関連する食品》
〈消化促進、胆汁の分泌促進、健胃の働きをもつハーブを〉
○栄養成分としての働きから
胃弱や消化不良の場合には、でんぷん消化酵素であるアミラーゼや、たんぱく質分解酵素であるセテラーゼなど消化を助ける酵素を含む食品が有効です。ヤマノイモにはアミラーゼが、ダイコンにはアミラーゼとセテラーゼの両方が含まれています。
○漢方的な働きから
ハーブのなかには、胃弱や消化不良に効果的なものがたくさんあります。消化不良には、オレガノ、サボリー、バジル、フェンネル、レモングラス、ローリエ、オールスパイス、クミン、クローブ、サフラン、スターアニスといった消化を促進する働きがあるとされるハーブや、セージ、ミント、ラベンダー、ローズマリーなど胆汁(たんじゅう)の分泌(ぶんぴつ)を促進する働きがあるとされるハーブを利用しましょう。胃弱には、健胃のはたらきが期待できるカルダモン、コショウ、コリアンダー、ターメリック、ディルなどのハーブがおすすめです。