胃神経症(読み)いしんけいしょう

百科事典マイペディア 「胃神経症」の意味・わかりやすい解説

胃神経症【いしんけいしょう】

器官神経症一種。胃に気質的な病変が認められないのに,さまざまな症状を訴える疾患。食欲不振,多食症などの食欲異常,悪心,嘔吐,心窩部(しんかぶ)の痛み,胃部膨満感など多様な訴えがあり,諸検査によって胃に異状は認めらないにもかかわらず,訴えが長期にわたって続く。一般に症状の悪化は見られず,痛む部位が日によって変わることもある。不安神経症,ヒステリー,心気症,鬱(うつ)病などの神経病質が基礎にある場合のほか,心身症によって神経性嘔吐,腹部膨満感,呑気(どんき)症が起こるものも含まれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胃神経症」の意味・わかりやすい解説

胃神経症
いしんけいしょう
gastric neurosis

胃ノイローゼともいう。胃症状を伴う器官神経症の1種で,神経性食欲不振症,神経性嘔吐,空気嚥下症,食餌逆流症および反芻症大食症などが含まれる。しかし最近は,単なる神経症というよりも,器質的異常を伴う心身症として取扱う傾向にある。こうした疾患の治療には,精神心理療法を加えた心身両面からの対策が必要である。

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