家庭医学館 「胃神経症」の解説
いしんけいしょうしんけいせいいえん【胃神経症(神経性胃炎) Gastric Neurosis】
吐(は)き気(け)・嘔吐(おうと)、上腹部のもたれや不快感・膨満感(ぼうまんかん)、げっぷなどの上腹部症状を訴えますが、その原因となる身体的(器質的)病変や異常がみられない状態をいいます。
精神的・心理的問題が原因と考えられていますが、少なくとも一部はNUD(コラム「上腹部不定愁訴(NUD)」)といえます。
[症状]
吐き気・嘔吐、上腹部のもたれや不快感、腹部膨満感、げっぷなどの症状が現われます。
[検査と診断]
血液・便検査、X線検査、内視鏡検査、腹部超音波検査などによって、胃潰瘍(いかいよう)・胃がんなどの疾患や身体的異常がないことを確認する必要があります。
場合によっては、食道内圧検査、胃排出能検査、性格検査などを行なうことがあります。
[治療]
まず、疾患や身体的異常がなく、基本的に寿命に影響がないことを、患者さんに説明して安心してもらうことが必要です。
過労、心理的ストレス、生活習慣の乱れがあれば、是正・改善します。薬では、消化管機能改善薬が有効なこともあります。さらに、心療内科や精神科で治療を受けることも必要です。