胃鏡(読み)イキョウ(その他表記)gastroscope

翻訳|gastroscope

デジタル大辞泉 「胃鏡」の意味・読み・例文・類語

い‐きょう〔ヰキヤウ〕【胃鏡】

胃の中を肉眼で観察するための医療器具。ゴム管レンズを組み込んだものが使われた。その後、胃カメラ普及、現在はファイバースコープが用いられる。

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精選版 日本国語大辞典 「胃鏡」の意味・読み・例文・類語

い‐きょうヰキャウ【胃鏡】

  1. 〘 名詞 〙 中空の管の先端反射鏡光源を、管内にレンズをそれぞれ装置し、口から胃の中へ差し入れて、胃の内壁を肉眼で診察する道具。いかがみ。

い‐かがみヰ‥【胃鏡】

  1. 〘 名詞 〙いきょう(胃鏡)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胃鏡」の意味・わかりやすい解説

胃鏡
いきょう
gastroscope

胃の内部を観察し診断するための医療器具。1863年にドイツの内科医クスマウルAdolf Kussmaul(1822―1902)が、47センチメートルの金属管を用い、呑刀(どんとう)師(刀を呑(の)み込む奇術を行う芸人)の胃の内部をかいまみるのに成功したのが、胃鏡の始まりとされている。1933年にドイツの内科医シンドラーRudolf Schindler(1888―1968)が、多数のレンズをゴムホースの内部に組み込んでつくった軟性胃鏡を発明し、胃鏡検査は実用的なものとなったが、苦痛も大きく、広く普及するには至らなかった。1950年(昭和25)に日本で開発された胃カメラは、直接見るかわりに、胃内に小型カメラを挿入して内部を撮影するもので、これによって胃の内視鏡検査は多くの医師の手で行われるようになった。胃鏡検査が盛んに行われるようになったのは、アメリカの内科医ヒルショビッツBasil Isaac Hirschowitz(1925―2013)が1957年にファイバースコープを発明した以降のことである。今日では、先端に小型撮像素子(CCD)を組み込んだ電子スコープがもっぱら使用されている。

[多賀須幸男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胃鏡」の意味・わかりやすい解説

胃鏡
いきょう
gastroscope

胃内視鏡のこと。口から食道を経て胃に挿入して内面を観察する器械。ファイバスコープが完成して以来,診断能力が飛躍的に向上した。先端に小型カメラを装着した胃カメラと,グラスファイバ光学系に使った胃ファイバスコープがあり,この分野では日本が最先端であるが,現在では胃カメラはほとんど使われない。この胃鏡を利用して病変部の組織片を採取し,病理学的検索を行なったり,ポリープ切除胃内異物除去を行うことも可能である。

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栄養・生化学辞典 「胃鏡」の解説

胃鏡

 胃の内膜の表面を検査する小型カメラ.

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世界大百科事典(旧版)内の胃鏡の言及

【内視鏡】より

…内部を見る器具を意味するエンドスコープendoscope(endoは内部,scopeは望遠鏡などものを見るための道具)の訳語。対象とする内腔が胃であるか膀胱であるかなどによって,胃鏡あるいは膀胱鏡などと呼ばれ,内視鏡はそれらの総称である。日本でこの用語が広く用いられるようになったのは,1961年に日本内視鏡学会が設立された以降のことである。…

※「胃鏡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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