胡簶・胡籙(読み)やなぐい

精選版 日本国語大辞典 「胡簶・胡籙」の意味・読み・例文・類語

や‐な‐ぐい ‥ぐひ【胡簶・胡籙】

〘名〙 (「矢の杙(くい)」の意という)
① 矢と矢を盛る箙(えびら)とを合わせて完備した物の具の呼称。箙にさす矢羽矢篦(やの)の名称から、石打胡簶・鷹羽(たかのは)胡簶・中黒胡簶・鵠羽(くぐいば)胡簶、あるいは節黒胡簶などがある。
書紀(720)雄略二三年八月(前田本訓)「二(ふた)(ヤナクヒ)の箭(や)、既に尽きぬ」
儀仗の矢を盛る容器。木製で細長い方立に背板(せいた)をつけ、矢を末広形に盛る平胡簶や靫(ゆぎ)の遺制を示す筒形の壺胡簶がある。ともに、蒔絵螺鈿木地螺鈿木地蒔絵などの製がある。また、簡素なものに狩胡簶がある。
源氏(1001‐14頃)行幸「やなくひなど負ひてつかうまつり給へり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android