〕に「
(や)の室なり」とあり、矢を入れる革袋。うつぼ。また、ゆぎ。古くは「ゆき」といい、〔神代紀上〕「千
(ちのり)の靫(ゆき)」「五百
(いほのり)の靫」のようにいう。宮門を護衛する武人を、わが国では「靫負(ゆげひ)」といい、衛門府のことをまた靫負府といった。
靫・倒靫出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
矢をいれて背におう容器。材質・形状には種々の変化があったらしく,《日本書紀》神武天皇即位前紀には,たがいに歩靫(かちゆき)を見せあって同族であることを確認した物語がある。三重県伊賀市石山古墳出土の革製漆塗靫は,長さ70cm,幅16cm,厚さ5cmの長方形の深い筒で,表面および両側面に文様を彩色し,上端に近く2個の巴形銅器を綴じつけてある。福島県会津若松市大塚山古墳出土の編物製靫は,長さ80cm,幅20cmの下方ですこしひろがった筒で,直弧文などを施した漆膜が付属している。ともに銅鏃・鉄鏃をつけた50本の矢を,鏃(やじり)を上に向け矢羽を下にして収めていた。近畿地方の4,5世紀の靫形埴輪は,左右両側に鰭(ひれ)をもち,上部に複雑な板状の装飾があって,編物製靫の系統である。関東地方の6,7世紀の靫形埴輪は,九州地方の装飾古墳の壁画に見る靫と同様に,本体の上部の左右に板状の袖をはりだした,奴凧(やつこだこ)形の形式になっている。
執筆者:小林 行雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...