臨池(読み)りんち

精選版 日本国語大辞典 「臨池」の意味・読み・例文・類語

りん‐ち【臨池】

〘名〙
① 池にのぞむこと。〔王融‐三月三日曲水詩序〕
② (中国、晉の王羲之の「与人書」の「張芝池学書、池水尽黒」などに見える、後漢草聖、張芝(ちょうし)が池に臨んで書を学んだという故事から) 習字書道
性霊集‐四(835頃)劉希夷集書上表「比属、臨池之次、写得奉上」

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デジタル大辞泉 「臨池」の意味・読み・例文・類語

りん‐ち【臨池】

王羲之「与人書」にある、後漢張芝ちょうしが池のそばで習字のけいこを続けたという故事から》習字。手習い

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普及版 字通 「臨池」の読み・字形・画数・意味

【臨池】りんち

池に臨む。また、書を学ぶ。〔晋書衛恒伝〕興りて、り。~弘農の張伯(芝)、因りて轉甚だ巧なり。作姓名を知らず。~池に臨みて書を學ぶ。池水盡(ことごと)くし。

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改訂新版 世界大百科事典 「臨池」の意味・わかりやすい解説

臨池 (りんち)
lín chí

書法,書道をいう語。また墨池ともいう。後漢の張芝(ちようし)が池に臨んで書を学んでいると,池の水が真っ黒になったという話が,西晋の衛恒の《四体書勢》その他に見え,これから転じたものである。張芝や王羲之の墨池は,後世史跡として保存された。これを書論書学に関する著述書名に冠したものとして,清の朱和羮(しゆわこう)の《臨池心解》,周星蓮の《臨池管見》,宋の朱長文の《墨池編》,明の楊慎の《墨池瑣録》などがある。
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