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後漢から三国魏にかけ蔡侯紙の名は有名であるが,後漢末には製紙の名手として左伯が知られる。後漢末の趙岐の《三輔決録》に韋誕(179‐253)の上奏文を引いているが,すぐれた書家である以上,張芝の筆,左伯の紙,それに韋誕の墨を使用してはじめて立派な字が書けると述べている。左伯の紙はよほど優秀なものであったとみえる。…
…ここでは章草が単体で書かれていたものから,しだいにつづけて書かれる筆勢をもつようになった書体をいうもので,すべての字を連綿したものをとくに連綿草といい,晋の王献之がその始祖という。後漢の張芝が草聖と称されているが,《淳化閣帖》に伝わる彼の書が縦横に大きく動いて書かれているのをみると,ある広さをもった紙などに書かれたものであることがわかり,草書の生成と紙の発明は縁の深いことが考えられる。 平仮名は,日本語を表記するのに漢字の音を使用して,一字一音とする表音文字として作られた。…
…南朝から唐代前半期までは,個々の書家を〈天然〉と〈工夫〉という二つの規準に照らして,あるいは書体別にその巧拙を比較して格づけする品第法と,個々の書風の特性を自然や人物にたとえて論評する比況法が盛んに行われた。多くの書家の中から,後漢の張芝,魏の鍾繇(しようよう),東晋の王羲之,さらにその子王献之が古今の四傑として最も高い評価を得,こうして伝統派の書論の基礎が築かれた。 唐代には孫過庭の《書譜》や張懐瓘の《書断》など,伝統派の書論を集大成した力作も現れたが,反面,書法を秘訣として子孫に伝える傾向が生じ,そのための通俗な伝授書も多く作られた。…
※「張芝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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