翻訳|air mail
航空機により輸送される郵便物およびその制度。1870年プロイセン・フランス戦争のときに、包囲されたパリから気球によって郵便物を運んだのが始まりといわれる。日本では、1910年(明治43)にアメリカ人のパイロット、アットウォーターがカーチス式水上機により東京―横浜間で郵便物を輸送したのが最初である。1919年(大正8)には東京―大阪間の航空郵便のテスト輸送が行われ、専用の切手2種も発行された。このあと帝国飛行協会や新聞社の手によって各地で航空郵便の輸送が行われ注目されたが、1923年の関東大震災のとき、官民の協力のもとに東京―関西地方間に臨時の航空便が開設されるとともに、航空郵便の重要性が認識された。1929年(昭和4)航空郵便規則が施行、正式に東京―大阪―福岡間の航空郵便路線が開設されるとともに、新しく航空郵便料金が地区別に決められ、航空郵便用の切手も発行された。続いて、日本の植民地であった台湾、朝鮮や、「満州国」などへも航空郵便路線網が拡大し、さらに、中国、フランス領インドシナ半島、タイへも路線は進出した。
第二次世界大戦中は、国内線、国際線ともにしだいに停止されたが、戦後1947年(昭和22)、まずアメリカの航空会社の乗入れにより外国航空郵便の輸送が開始され、国内航空の実施許可に伴って、1951年に国内の航空郵便も復活、新しい航空郵便切手も発行された。しかし、1953年7月5日に速達郵便に統合されたため、航空郵便は外国郵便(国際郵便)のみとなった。2011年(平成23)時点で、国内航空路線のある所は、普通郵便物も一部は航空機によって運ばれている。外国航空郵便は日本に発着する各国航空機により運ばれているが、ジェット機の発達とともに所要時間が飛躍的に短縮されている。
[園山精助]
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…自動車は1908年東京市内の運送に使用したのが最初であった。航空機の使用は1919年の航空郵便の試行に始まり,漸次拡充を見たが,東京~大阪~福岡間の航空郵便が正式に開設されたのは29年のことである。航空機の利用は従来は速達扱いの場合に限られていたが,66年10月から普通扱いの小型通常郵便物(定形郵便物,郵便書簡,郵便はがき)の,82年5月から本土~沖縄間,沖縄県内相互間で大型通常郵便物の,同年6月からは全国で速達小包郵便物の航空機輸送を開始した。…
※「航空郵便」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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