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船舶トン数 せんぱくトンすうvessel tonnage

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

船舶トン数
せんぱくトンすう
vessel tonnage

船の大きさを表示する単位で,総トン,純トン,重量トン排水トン (または排水量) がある。このうち総トンは,船体で囲まれているすべての場所の容積を示し,グロストン (G.T.) ともいい,客船などに使われる。純トンは,さらに船員室,機関室などを除いた,貨客室だけの容積を示し,ネットトン (N.T.) あるいは登録トンともいい,船に対する課税算定の基準に使われている。重量トンは積載重量トンともいい,その船の最大積荷の重さをトン数で示すもの。したがって貨物船のトン数表示には通常重量トンが使われる。排水トンは,排水重量トンともいい,水面以下の船の体積と同量の水の重量,つまり船の全重量で表わす。単位は英トンで,1排水t=1.016t。軍艦などに使われる。

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百科事典マイペディアの解説

船舶トン数【せんぱくトンすう】

船の大きさを表す単位。船の容積を基に大きさを表すトン数(総トン数純トン数運河トン数)と,重量を表すトン数(排水量・載貨重量トン数)とに大別される。総トン数(グロストン,記号GT)は船の内部の総容積から,二重底区画や上甲板上の操船設備をおく区画などを除いたものを,100立方フィート≒1トンとして表したもの。関税,登録税,入渠(きょ)料,水先案内料,検査料などの基準となり,統計も多くこれで示される。純トン数(ネットトン,記号NT)は総トン数から,船員室,機関室,バラストタンクなど運航に直接必要な部分を除いたもの。旅客・貨物積載のための容積で,船の収益能力を示すものであり,トン税,港税や,岸壁・浮標などの使用料の基準となる。スエズ,パナマの両運河には総トン数,純トン数の特別規定があり,これを運河トン数という。通航料はこれが基準となる。排水量または排水トン数は,船が水に浮かぶとき排除する水の重量で,軍艦はこれで大きさを表示する。載貨重量トン数(記号DW)は満載喫水に対する排水量と,空船喫水に対する排水量との差をいう。積み込み得る燃料,水,食料,旅客,貨物などの重量を示し,貨物船用船料などの基準となる。
→関連項目トン税容積トン数

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世界大百科事典 第2版の解説

せんぱくトンすう【船舶トン数 ship’s tonnage】

船の大きさを表す単位としてトン数が用いられるが,これには大別して船の大きさの指標であるトン数と,重量を表すトン数とがある。前者のトン数は船の容積を基として算出され,総トン数,純トン数,運河トン数などの区別があるが,あくまでも大きさの指標であって物理的な意味の単位ではない。後者の重量を表すトン数には排水量,載貨重量などがあり,この単位は重量のトンである。このように船のトン数が紛らわしいのは,その起源に歴史的な経緯があることと,意味が異なるにもかかわらず同じトンという言葉が使われることによっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

船舶トン数
せんぱくとんすう

船の大きさを示す単位としてのトン数。トンには重量、容積の別がある。[森田知治]

容積によるトン数

中世ヨーロッパでは船の大きさを、積むことのできる酒樽(さかだる)の数で表した。日本では室町時代から、米の石(こく)数で表して千石船(重さにして約150トン積み)などといった。1854年イギリスで制定されたムアーソン式測度法は、近代的トン数測度法の基礎となった。これは1907年までに数度にわたり改正されるが、海運各国の測度法の手本となり、続いて各国間でこれら測度法を互いに認め合うようになった。さらに39年には「船舶トン数測度に関する国際規則」が公表されるに至ったが、第二次世界大戦が起こって発効せずに終わった。日本では1914年(大正3)の船舶積量測度法によって、船内容積の100立方フィート(2.83立方メートル)を1トンとする総トン数が採用された。これは外板、甲板、仕切り壁などによって囲まれた部分の容積で、二重底区画と上甲板上の特定の部分を含まない。また、総トン数から機関室など航海に必要な場所を除外した容積を純トン数という。総トン数は商船の大きさを表すのに広く用いられる。各国の海運勢力の比較や統計に用いられ、また、乗員の資格や設備の等級も総トン数に応じて決められている。純トン数は船の営業用の容積なので、課税の基準となる。
 第二次世界大戦後、コンテナ船、自動車専用船ほかの新しい型式の船が現れ、各国のトン数の測り方に不統一が目だってきた。そこで、世界共通のトン数制度を目ざして1969年の「船舶のトン数の測度に関する国際条約」が採択された。この条約によって、(1)従来、場所ごとに内装材などの内面までの内法(うちのり)容積によってトン数を計算していたのを廃止して、外板内面までの総容積とされ、(2)用途に応じた特定場所のトン数からの除外も廃止、(3)従来の100立方フィートを1トンとする単位を廃止し、新たな総トン数の算定式が定められた。
  総トン数=(0.2+0.02×log10V)×V
で、Vは総容積を立方メートルで測った数値である。国際条約は1982年に発効し、日本でもそれに先だって80年(昭和55)「船舶のトン数の測度に関する法律」が制定された。これによって、国際航海に従事する船の総トン数を新たに「国際総トン数」とし、条約算定式をそのまま適用することになった。また日本の海事制度で船の大きさを表すためのトン数は、従来どおりの「総トン数」とし、条約算定式で4000トン未満の船についてはこの式を多少変更した算定式を適用することとなった。また純トン数についても条約方式に基づき、新たな算定式が定められた。
 載貨容積トン数は、40立方フィートを1トンとした貨物倉の容積である。最近はトン数へ換算することなく、容積をそのまま立方メートルまたは立方フィートで表すことが多い。肋骨(ろっこつ)やビームの間にも積める穀物などのばら積み貨物を対象とするグレーン貨物容積と、包装された貨物についてのベール容積の2種類がある。[森田知治]

重量によるトン数

排水トン数は排水量とよばれることが多い。容積によるトン数が特定の船にとっては固有の数値であるのに対して、排水量は積載物によって上下する喫水線に対応する、つねに変動する量である。満載喫水線まで貨物や燃料などを積んだ状態での重量を満載排水量、何も積まない船自体の重量を軽荷排水量という。載貨重量トン数(載貨重量ということが多い)は満載排水量から軽荷排水量を引いた重量で、貨物、燃料、水、食料などの積載可能な重量である。字義どおりの貨物重量ではないが、通常の貨物船では積める貨物の重量とみなしても大差はない。軍艦の大きさは排水量で表す。乗員、兵器、弾薬、燃料、食糧などを満載した状態の常備排水量を用い、単に排水量とよぶこともある。船の諸性能に直接影響を与えるのは形状とともに重量なので、排水量は船舶設計上重要な量である。[森田知治]

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