(読み)ゴン

デジタル大辞泉 「艮」の意味・読み・例文・類語

ごん【×艮】

《「え」とも》易の八卦はっけの一。で表す。山にかたどり、静止の徳を表す。方位では東北に配する。

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精選版 日本国語大辞典 「艮」の意味・読み・例文・類語

ごん【艮】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こん」とも )
  2. 易の八卦(はっけ)一つ算木とあらわす。また、六十四卦の一つ。。止まって進まないさまを示し、物では山、人では少弟、方角では北東を象徴する。艮為山(ごんいさん)
    1. [初出の実例]「文王の改て之、震東兌西離南坎北巽東南坤西南乾西北艮東北と成たぞ」(出典:史記抄(1477)一八)
    2. [その他の文献]〔易経‐艮卦〕
  3. 北東の方角。うしとら。〔欧陽詹‐桟道銘序〕

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普及版 字通 「艮」の読み・字形・画数・意味


6画

(異体字)
7画

[字音] コン・ゴン
[字訓] もとる・なやむ

[説文解字]

[字形] 会意
目+人。目は呪的な目的で聖所などに掲げられている邪眼。その下に、後ろ向きに退く人の形がかかれており、進入者がその邪眼におそれて卻(しりぞ)く意をあらわす。ゆえに很戻(こんれい)の意となる。〔説文〕八上に「很(もと)るなり」とあり、很もその形に従う。神域にこれを施して、出入を禁ずることを限という。限の従う阜(ふ)は、神梯の象である。

[訓義]
1. もとる、邪眼によって遮られる、とまる、さからう。
2. かぎる、かたくとめる。
3. なやむ、くるしむ。
4. 易の六十四卦の一。方位に配して、うしとら。時刻に配して午前二時~四時。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕艮 カタシ・アラソフ・ウシトラ・シヌ・ヤマ・トドム

[部首]
〔説文〕に字を匕(ひ)部に属し、匕目の会意とし、部首を建てないが、〔康熙字典〕に艮部を建て、良・艱などを属する。良は風を送って選穀をする風箱の形、また艱は形声の字で、ともに艮を部首とする字ではない。

[声系]
〔説文〕に艮声として很・跟・眼・根・痕・恨・垠・艱・限など十七字を収める。眼は邪眼、これによって進むことを抑止され、止まり、心に任せぬ状態を示す。艮声の字に、その声義をとるものが多い。(退)の従うところは撤饌の象で、同じ形であるが、艮とは声義ともに異なる字である。

[語系]
艮knは恨hn、狠ngonと声義近く、狠は犬の相争う意。限hen、岸nganは人の進入を許さない峭絶のところをいう。khunは門、また人を遮るところである。

[熟語]
艮維艮音艮磑艮隅艮頭

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占い用語集 「艮」の解説

八卦の一つ。一番上だけが陽爻のもの。自然界では「山」、卦徳は「止」、人では「少男」、属性は「土」、身体では「手」、易数は「7」、方角では「東北」をあらわす。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【易】より

…左の掌中にある筮竹を右手で8本ずつ除去していき,小指の分も入れて残りが8本以内になったらやめる。残りが1本なら☰乾(けん)(天),2本なら☱兌(だ)(沢),3本なら☲離(火),4本なら☳震(雷),5本なら☴巽(そん)(風),6本なら☵坎(かん)(水),7本なら☶艮(ごん)(山),8本なら☷坤(こん)(地)。これで内卦(六爻(こう)の下半分)が得られた。…

※「艮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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