八卦(読み)ハッケ

デジタル大辞泉 「八卦」の意味・読み・例文・類語

はっ‐け【八×卦】

で、陰()と陽()のこう組み合わせで得られる8種の形。この中の2種を組み合わせてできたものが六十四卦で、自然界人間界のあらゆる事物・性情が象徴される。はっか。
占い。易。「当たるも八卦当たらぬも八卦
[類語]ぼくする占ううら占い卜筮ぼくぜい卜占占卜易断

はっ‐か〔‐クワ〕【八×卦】

はっけ(八卦)

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精選版 日本国語大辞典 「八卦」の意味・読み・例文・類語

はっ‐け【八卦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 易で、陰()と陽()とを示す三個の算木を組み合わせてできる八種のかたち。はっけい。乾(けん)・兌(だ)・離・震・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)。はっか。
    1. [初出の実例]「八卦には、震也」(出典:名語記(1275)九)
    2. [その他の文献]〔易経‐繋辞上〕
  3. 占い。卜筮(ぼくぜい)。易。また、それをする人。八卦見。
    1. [初出の実例]「ありのふ御八けまいらする」(出典:御湯殿上日記‐文明一六年(1484)一二月一三日)
  4. はっけいみ(八卦忌)」の略。
    1. [初出の実例]「今日相当八卦、一説大厄日」(出典小右記‐万寿元年(1024)正月二五日)

はっ‐か‥クヮ【八卦】

  1. 〘 名詞 〙はっけ(八卦)
    1. [初出の実例]「伏犠〈略〉始画八卦(はっクヮ)書契」(出典:文明本節用集(室町中))

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改訂新版 世界大百科事典 「八卦」の意味・わかりやすい解説

八卦 (はっか)
bā guà

易(えき)学の用語。陰爻(こう)と陽爻とを3本重ねることによって作られた8種類のパターン。すなわち乾(けん),兌(だ),離(り),震(しん),巽(そん),坎(かん),艮(ごん),坤(こん)の八つをいう。これらはそれぞれ,天,沢,火,雷,風,水,山,地を象徴する。易はこの八卦を重ねあわせた64種類のパターン(64卦)によって占う。図に掲げたのは,八卦の生成を述べる《易》繫辞けいじ)伝の名高い句,〈易に太極あり,これ両儀を生ず。両儀は四象を生じ,四象は八卦を生ず〉を朱熹(しゆき)(子)の解釈にもとづいてパターン化したものである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「八卦」の意味・わかりやすい解説

八卦(はっか)
はっか

「はっけ」とも読む。陰、陽二種の爻(こう)を三爻とり、これを下から上に並べると、乾(けん)、兌(だ)、離(り)、震(しん)、巽(そん)、坎(かん)、艮(ごん)、坤(こん)の八卦を得る。この八卦は、自然現象においてはそれぞれ天、沢、火、雷、風、水、山、地を象徴するとし、その性情は健、悦、麗、動、入、陥、止、順で、家族では父、少女、中女、長男、長女、中男、少男、母を象徴するとし、その他の事物を象徴させて易を説明し、易学基本となる。

[藤原高男]

『高田真治・後藤基巳訳『易経』上下(岩波文庫)』『本田済訳『中国古典選 易経』(朝日新聞社・朝日文庫)』


八卦(はっけ)
はっけ

八卦

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普及版 字通 「八卦」の読み・字形・画数・意味

【八卦】はつか(くわ)・はつけ

易の卦。乾(けん)、兌(だ)、離、震(そん)、坎(かん)、艮(ごん)、坤(こん)。組み合わせて六十四卦をうる。〔易、辞伝上〕易に太極り。是れ兩儀を生ず。兩儀四象を生み、四象卦を生ず。

字通「八」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「八卦」の意味・わかりやすい解説

八卦【はっけ】

〈はっか〉とも。(えき)による占いの基本となる図形。乾(けん),坤(こん),震(しん),巽(そん),坎(かん),離,艮(ごん),兌(だ)の8種。これを組み合わせたものが64卦。この形を得るために算木を操作する。八卦は伏羲(ふくぎ)の創案と伝えられる。易占の基本として,易占と同義にも用いられる。(図)

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占い用語集 「八卦」の解説

八卦

陽爻と陰爻の記号を三つ組み合わせて表される八つの象徴のこと。自然界に存在する全てのものは、この「八卦」で表すことができるとされている。「八卦」には、乾(天)・兌(沢)・離(火)・震(雷)・巽(風)・坎(水)・艮(山)・坤(地)の八種類がある。また、この卦を上下に二つに重ねると「六十四卦」になる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八卦」の意味・わかりやすい解説

八卦
はっか
Ba-gua

易を構成する 64卦の基本になる8個の卦。俗に「はっけ」ともいう。後世につくられた伝説では伏羲の作という。乾,兌,離,震,巽,坎,艮,坤の8つ。易の解説の一つ『説卦伝』には,この八卦が天 (乾) ,地 (坤) をはじめとし種々さまざまな自然人事の現象を象徴していることが述べられている。

八卦
はっけ

八卦」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の八卦の言及

【八卦】より

…これらはそれぞれ,天,沢,火,雷,風,水,山,地を象徴する。易はこの八卦を重ねあわせた64種類のパターン(64卦)によって占う。図に掲げたのは,八卦の生成を述べる《易》繫辞(けいじ)伝の名高い句,〈易に太極あり,これ両儀を生ず。…

【易経】より

…《易経》はこの経と伝との総称である。卦とは,(陰の象徴)と(陽の象徴)の棒(爻(こう))をまず3本組み合わせて8種類のパターン(八卦(はつか))を作り,次にそれらを互いに重ねて64種類にしたものである。占断の辞は64卦だけではなく,各卦の各爻ごとに付されているから(前者を卦辞,後者を爻辞という),64×6の合計384種類のシチュエーションが備わっていることになる。…

※「八卦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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