良全(読み)りょうぜん

改訂新版 世界大百科事典 「良全」の意味・わかりやすい解説

良全 (りょうぜん)

14世紀中ごろ,東福寺を中心に活躍した絵仏師系の画家生没年不詳。良詮とも書き,おもに道釈人物画に優れた力量を発揮した。落款に〈海西人〉〈浮萍散人〉とあることから中国からの渡来画人,また九州の画人という説がある。遺品に,乾峰士曇けんぽうしどん)著賛の《騎獅文殊図》(正木美術館),同じく《白衣観音図》(妙興寺),《十六羅漢図》(建仁寺)などがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「良全」の意味・わかりやすい解説

良全
りょうぜん

南北朝時代の画家。良詮とも書く。出身地は九州と推定され,博多出身の禅僧乾峰士曇 (けんぽうしどん。 1285~1356) と関係が深い。制作の中心は仏画だが今日その水墨画的要素が評価される。日本の初期水墨画をになったのは禅僧の余技と,中国から輸入の新しい絵画様式に刺激を受けた専門画家両翼であるが,良全は後者の代表と考えられる。そのなかでも良全の純然たる水墨画作品『白鷺図』 (浅野家) は,専門画家側の著しい進境を示すものとして重要。この方向は次代明兆に受継がれた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「良全」の解説

良全 りょうぜん

?-? 鎌倉-南北朝時代の画家。
絵仏師系。乾峰士曇(けんぽう-しどん)にしたがい,京都東福寺を中心に水墨仏画をえがく。「仏涅槃(ねはん)図」の款記嘉暦(かりゃく)3年(1328)とあり活躍期が判明。作品に士曇の賛がある「白衣観音図」「騎獅(きし)文殊図」など。同一人物とみなされてきた可翁仁賀とは別人。名は良詮ともかく。

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