苦味チンキ(読み)くみチンキ

精選版 日本国語大辞典 「苦味チンキ」の意味・読み・例文・類語

くみ‐チンキ【苦味チンキ】

〘名〙 (チンキはtinctuur から) 健胃薬一つ黄褐色で特異な芳香をもつ苦味のある液体ダイダイの皮、センブリサンショウなどの粉末アルコールを加えて作ったチンキ剤で、胃アトニー慢性胃炎などに用いられる。
風俗画報‐一九八号(1899)遊芸門「今夜寄席へ同伴(つきあは)ぬかと、友に教唆(そそのか)されて、初めの程は、苦味丁幾(クミチンキ)でも甜めたやうな苦い顔もしつれど」

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デジタル大辞泉 「苦味チンキ」の意味・読み・例文・類語

くみ‐チンキ【苦味チンキ】

橙皮とうひセンブリサンショウなどの粉末に70パーセントのアルコールを加えて製したチンキ剤。黄褐色で、特有の芳香と苦みがある。健胃薬。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「苦味チンキ」の意味・わかりやすい解説

苦味チンキ
くみちんき

芳香苦味健胃薬剤で、日本薬局方名。トウヒ粗末50グラム、センブリ粗末5グラム、サンショウ粗末5グラムを70%エタノール(エチルアルコール)で浸出、濾過(ろか)して1000ミリリットルとした黄褐色のチンキ剤で、消化不良、食欲不振などに他剤と配合して用いる。

[幸保文治]

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百科事典マイペディア 「苦味チンキ」の意味・わかりやすい解説

苦味チンキ【くみチンキ】

苦味健胃薬。日本薬局方品は橙皮(とうひ)粗末,センブリ粗末,サンショウ粗末に70%エチルアルコールを用い冷浸法で製する。黄褐色の液体で特異な芳香を有し苦味がある。消化不良,食欲不振,胃アトニーなどに用いる。
→関連項目健胃薬チンキ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「苦味チンキ」の意味・わかりやすい解説

苦味チンキ
くみチンキ
bitter tincture

橙皮,センブリ,サンショウのアルコール浸出液。健胃剤

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