胃壁の筋緊張が衰弱した状態をいい、胃下垂症を呈することが多い。胃が低緊張ないしは無緊張状態になっているため、胃容積は大きく、胃から十二指腸への食物の排出時間が遅延している。したがって食後に、心窩(しんか)部(上腹部、みぞおち)の鈍痛、重圧感、膨満感、げっぷ、胸やけなどの症状を示すこともある。また、基礎疾患として、急性消化不良、感染症、栄養不良、悪液質などを伴うこともある。しかし、自覚症状をもたない健康人にもみられることがあるので、現在は一つの独立した疾患としては取り扱われない傾向にある。病因として、神経症的な性格、心理的因子の関与が大きいため、向精神薬が有効なこともある。原因疾患のあるものはその治療が先決であり、対症的には食事療法(消化のよい栄養豊富な食品を少量ずつ回数を増やして与える)に加え、薬物療法を行う。
[竹内 正・白鳥敬子]
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