苦灰石(読み)クカイセキ(英語表記)dolomite

翻訳|dolomite

デジタル大辞泉 「苦灰石」の意味・読み・例文・類語

くかい‐せき〔ククワイ‐〕【苦灰石】

カルシウムマグネシウム炭酸塩鉱物。白色黄褐色淡褐色などで半透明六方晶系ドロマイト白雲石はくうんせき

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精選版 日本国語大辞典 「苦灰石」の意味・読み・例文・類語

くかい‐せき ククヮイ‥【苦灰石】

〘名〙 カルシウムとマグネシウムの炭酸塩鉱物無色、白色、帯赤色、帯緑色、青色褐色などで半透明のガラス光沢または真珠光沢をもつ。六方晶系、菱(りょう)面体、板状、柱状、葉片状の結晶石灰岩苦灰石化作用を受けてできるといわれている。苦土石灰肥料、耐火物、ドロマイトセメントや、研磨材、陶磁器原料などに用いられる。ドロマイト。白雲石

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「苦灰石」の意味・わかりやすい解説

苦灰石
くかいせき
dolomite

方解石近縁のカルシウム(Ca)およびマグネシウム(Mg)の複炭酸塩鉱物。これを主成分とする苦灰岩は同じくドロマイトとよばれ、堆積(たいせき)岩として産する。苦灰石は超塩基性岩中に脈をなし、また中~低温熱水鉱脈の脈石鉱物として産する。現世の海底でも石灰質堆積物を交代して生成されつつある。自形は比較的単純な菱(りょう)面体のものが多い。日本においては、栃木県佐野市の旧葛生(くずう)町地区や山口県宇部市、兵庫県関宮(せきのみや)町吉井(現、養父(やぶ)市中瀬)中瀬鉱山(閉山)などが産地として有名。花崗(かこう)岩の貫入によって高温交代作用を受けると、苦土橄欖(かんらん)石、透輝石、金雲母(うんも)、苦土尖晶(せんしょう)石(スピネル)、単斜ヒューム石などを含むスカルンをつくる。外見は方解石に類似するが、これよりやや比重が大きく、硬度が高く、光沢がいくらか強く、酸に溶けにくい。英名はフランスの鉱物学者デオダ・ドゥ・ドロミューDéodat de Dolomieu(1750―1801)に由来する。

[加藤 昭 2016年3月18日]

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改訂新版 世界大百科事典 「苦灰石」の意味・わかりやすい解説

苦灰石 (くかいせき)

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百科事典マイペディア 「苦灰石」の意味・わかりやすい解説

苦灰石【くかいせき】

ドロマイト

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化学辞典 第2版 「苦灰石」の解説

苦灰石
クカイセキ
dolomite

[同義異語]ドロマイト

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世界大百科事典(旧版)内の苦灰石の言及

【ドロマイト】より

…苦灰石,また白雲石ともいう。化学組成はCaMg(CO3)2で,おもに石灰岩がMgを含む溶液と反応してできた鉱床に産する鉱物。…

※「苦灰石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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