草名(読み)ソウミョウ

デジタル大辞泉 「草名」の意味・読み・例文・類語

そう‐みょう〔サウミヤウ〕【草名】

草書体署名。特に、名前の2字を合わせて1字のような形に書いたもの。そうな。→花押かおう書き判

そう‐な〔サウ‐〕【草名】

そうみょう(草名)

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精選版 日本国語大辞典 「草名」の意味・読み・例文・類語

そう‐みょうサウミャウ【草名】

  1. 〘 名詞 〙 文書に記された草書体の署名。身分下位の人に対して、また書状などの私的な文書において使われることが多い。押字。つくりな。はん
    1. [初出の実例]「欲加判之処、朝臣歟、草名歟、不先例、仍今夜不加判」(出典台記‐仁平三年(1153)七月一五日)

そう‐なサウ‥【草名】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 書体の一つ行書をさらにくずしたもの。草書
  3. そうみょう(草名)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「草名」の意味・わかりやすい解説

草名
そうみょう

草書体の自署。「そうな」とも読む。平安時代初期からみえる。自分の署名に独自性をもたせようとする意識から発生したと思われ、その傾向が進むと、字を変形あるいは合体させて特殊な形をつくる花押(かおう)となる。

[吉田早苗]

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「草名」の解説

草名
そうみょう

「そうな」とも。文書の差出人がみずからの名前を草書でくずして書いたもの。楷書で明確に読みとれるものは自署(じしょ)という。平安中期から自署をしだいに行書や草書でくずして書くようになり,草名がうまれた。記号化がさらにすすむと花押(かおう)となる。

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世界大百科事典(旧版)内の草名の言及

【花押】より

…花押の起源は自署の草書体にある。これを草名(そうみよう)とよび,草名の筆順,形状がとうてい普通の文字とはみなしえないまでに特殊形様化したものを花押という。
[起源と種類]
 花押の発生は中国にあって,その時期は遅くも唐代中期と見られている。…

※「草名」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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