荒倉神社(読み)あらくらじんじや

日本歴史地名大系 「荒倉神社」の解説

荒倉神社
あらくらじんじや

[現在地名]鶴岡市西目

荒倉山(三〇七メートル)の南東中腹にある。祭神は保食神。旧県社。明治二八年(一八九五)の県社荒倉神社取調書によると、社記には養老元年(七一七)神殿建立を草創とするとあるが確証はない。参考安倍系譜(鶴岡市郷土資料館蔵)では「延喜式」神名帳にみえる田川郡いては神社にあてているが、これも確認できない。伊波神社は羽黒山に比定する説が強いが、近世には羽黒山を東羽黒、荒倉山を西羽黒と称しており、修験の山であったとも考えられる。また播磨京田はりまきようでん村の名主斎藤氏は文化一四年(一八一七)参詣記(斎藤文書)に「諸人云伝へのことく当山者羽黒山よりも早けれハ、札所第一番なからづんハ当国順礼札所に入べからすとて其数に入らす」とも記録している。


荒倉神社
あらくらじんじや

[現在地名]春野町弘岡中 荒倉

荒倉山麓に鎮座し、背後に石灰岩層から湧出する泉がある。祭神は天闇神・天児屋根命・建御名方神。弘岡ひろおか三ヵ村の氏神で旧郷社。社名は「荒倉諏訪大明神」(天文九年当社棟札「蠧簡集」)、「荒鞍宮」(慶長二年弘岡村地検帳)、「荒倉三社大明神」(南路志)などとみえる。社伝によれば、弘岡は昔から旱魃の被害が多かったため降雨祈願のため大和国吉野の丹生川上にうかわかみ神社下社を勧請したことに始まるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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